偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2024年8月に聴いた音楽まとめ

Foster The People『Supermodel』SUPERMODELアーティスト:FOSTER THE PEOPLEコロムビアミュージックエンタテインメントAmazon ニューアルバムが出る前にちょっとでも聴いておこうと思って聴いた2作目のアルバム。キラキラしたダンスチューンをはじめ、わりと…

川谷絵音のファンをやめるのをやめた話

この度はこのような結果になってしまい大変遺憾に思っております。 これも全ては私の心の弱さが招いた結末であり、忸怩にして慚愧、恥ずかしくて穴があったらずっぽりハマり込みたい所存でごいますが、まぁ、あれです、川谷絵音のファンをやめるのをやめまし…

学校の怪談(2000-2001)

2000年10月から2001年3月にかけて日曜の夜7:30からの枠で放送されていたアニメ版の学校の怪談。2000年というと24年前なので私が6歳くらいの時かなぁ。ちょうど主人公さつきの弟の敬一郎と同じくらいの年頃で、怖い話も好きだったから熱心に観ていてもおかし…

シソンヌライブ[douze]

毎度タイトルがオシャレで何本目か分かりづらいけど、12本目のライブビデオです。シソンヌライブ[douze] [DVD]シソンヌAmazon 9本目ではコロナ禍がライブ全体を覆うようなコンセプチュアルな内容になっていましたが、今回はアフターコロナに加えてAIの台頭な…

歓びの毒牙(1969)

ローマ旅行中のアメリカ人作家・サムは、画廊で女性が黒ずくめの人物に刺されるシーンを目撃してしまう。警察は巷で連続している殺人事件との類似を重くみて、重要な容疑者で目撃者のサムの帰国を禁じる。サムは恋人のジュリアとともに事件の調査を始めるが…

インフェルノ(1980)

「サスペリア」に続く魔女三部作の第二弾。 以前VHSで観たのですが画質が悪すぎて面白さが分からず申し訳ございませんでした。DVDの綺麗な画面で改めて観たらめちゃ面白いやんけ。インフェルノ [DVD]リー・マクロスキーAmazon いや、まぁストーリーは相変わ…

サスペリア・テルザ(2007)

1977、サスペリア1980、インフェルノそして......2007、サスペリア・テルザ......ってインフェルノ27年前!? というわけで、27年越しの魔女三部作完結編です。サスペリア・テルザ 最後の魔女(字幕版)アーシア・アルジェントAmazon 絵画修復を学ぶためロー…

ヘイトフル・エイト(2015)

タラちゃんのフィルモグラフィー9作品の中で唯一観てなかっやつ。これでコンプリート。ヘイトフル・エイト(字幕版)サミュエル・L・ジャクソンAmazon 舞台は南北戦争直後のアメリカ。 賞金稼ぎの"ニガー"マーキスら8人の男女がひょんなことから雪山の山荘に…

リーガルリリーのファンをやめた話

苦しい気持ちをブログに書いたら苦しみは和らぐのかといえば別にそうでもない気もするし、むしろ書いてしまうことで思考がそこに固定されて苦しみから逃れられなくなっていくような気もするんですが、それでもTwitterで毎日死にたい死にたいと書いているより…

戸谷洋志『スマートな悪 技術と暴力について』感想

あえて疑問を口にしてみよう。スマートさがそれ自体で望ましいものであるとは限らないのではないか。むしろ、スマートさによってもたらされる不都合な事態、回避されるべき事態、一言で表現するなら、「悪」もまた存在しうるのではないか。 スマートな悪 技…

伊藤計劃『ハーモニー』感想

たった2年間の活動期間でSF界にその名を刻み込んだ伊藤計劃の2作目の長編。 昔読んだことはあるんだけど、先日読んだ『なめらかな世界と、その敵』の中で本作(を含むいくつものSF作品たち)が「聖書」として登場したのをきっかけにふと読み返したくなって読み…

一昨日と今日の日記

一昨日。 仕事が終わって急いで帰って妻とお祭りに行った。 新婚旅行の北海道で花火は見たことがあるが、2人でお祭りに来るのは実は初めて。お互い土日も仕事で今まで来れてなかったけど、仕事終わりに気合い入れて臨めば来れなくもないことが分かった。 と…

イ・コンニム『殺したい子』感想

韓国のYAミステリというのでモノ珍しく読んでみましたが面白かったです!殺したい子作者:イ・コンニム,矢島暁子アストラハウスAmazon 校舎裏で殺された少女ソウン。容疑者は彼女の親友のジュヨン。事件当日の放課後にソウンと大喧嘩をした後の記憶がないジュ…

山下紘加『あくてえ』感想

先日読んだ『私の身体を生きる』で印象的だった著者の小説を初めて読んでみました。あくてえ作者:山下紘加河出書房新社Amazon 母親のきいちゃんと、90歳のばばあと3人で暮らす19歳のゆめ。小説家を志すゆめだったが、ばばあのわがままと病気に振り回され悪態…

佐々木愛『プルースト効果の実験と結果』感想

青山裕企による表紙の写真とタイトルに惹かれ、目次を見たら各話のタイトルも良かったのでなんも知らずに読んでみた短編集。プルースト効果の実験と結果 (文春文庫 さ 76-1)作者:佐々木 愛文藝春秋Amazon著者は本書4話目の「ひどい句点」でオール讀物新人賞…

櫻田智也『蝉かえる』感想

前作『サーチライトと誘蛾灯』の第一話を読んであんまり面白く感じられずに読むのをやめてしまったのですが、シリーズ2作目となる本作がめちゃくちゃ評判がいいし「前作からさらに進化してる」みたいな声を聞くので、そんならこっちを先に読んでみてもいいか…

伴名練『なめらかな世界と、その敵』感想

SFが苦手なので今まで読めていなかったんですが、『少女禁区』がけっこう好きだったので気になってはいた著者の2冊目の著作となるSF短編集。なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA)作者:伴名 練早川書房Amazon上記の通りSFは苦手だし全然詳しくないので…

宇佐見りん『くるまの娘』感想

宇佐見りんの3作目。くるまの娘作者:宇佐見りん河出書房新社Amazon 17歳のかんこたち一家は、久しぶりの車中泊の旅をする。思い出の景色が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだす。 (Amazonの作品紹介より) 前2作ももちろん良かったんですが、…

大大大好きなバンドの新曲が全然いいと思えない話。

伏せる意味があるのかどうか分からないけどいちおう名前は伏せてとある大大大好きなバンドの話なんですけど、先日そのバンドのライブに行ったらいきなり未発表の新曲をやりはじめてそれがめちゃくちゃ良かった、本当にそのバンドの今までの曲の中でもトップ…

殺人蝶を追う女(1978)

厭世的な学生のヨンゴルは川辺で出会った女性に毒入りのジュースを飲まされるが一命を取り留める。彼女は共に死ぬ相手を求める自殺志願者だったのだ。 やがてヨンゴルは、考古学の教授の家に住み込みの助手として雇われるが、教授の娘へウォンは死んだ女性の…

異魚島(1977)

観光会社の社員のヒョンは、済州島の観光ホテルの宣伝のため、幻の離島・異魚島を探す。この旅に同行した記者のナムソクが異魚島に向かう船から落ちて死亡する。やがて異魚島に着いたヒョンは、ナムソクが島の出身であったことと、彼のこれまでの半生につい…

肉体の約束(1975)

殺人で服役中の女性スギョンは、女性看守と共に墓参りのための帰郷を許される。男性不信と自殺願望に取り憑かれているスギョンだったが、道中の列車で出会った青年フンと関係を持ち......。 金綺泳(キム・ギヨン) 傑作選 BOX 2(収録作品:『肉体の約束』『異…

アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』感想

新潮文庫のヨルシカコラボカバーで買っちゃいました。老人と海(新潮文庫)作者:ヘミングウェイ新潮社Amazon 八十四日間の不漁に見舞われた老漁師サンチアゴは、弟子の少年に見送られてひとり小舟で海へ出る。やがて彼の綱に見たこともないような巨大なカジ…

『私の身体を生きる』感想

妻が買ってきてたので借りて読みました。 私の身体を生きる (文春e-book)作者:西 加奈子,村田 沙耶香,金原 ひとみ,島本 理生,藤野 可織,鈴木 涼美,千早 茜,朝吹 真理子,エリイ,能町 みね子,李 琴峰,山下 紘加,鳥飼 茜,柴崎 友香,宇佐見 りん,藤原 麻里菜,児…

木石岳『歌詞のサウンドテクスチャー』感想

前から気になってた本。歌詞のサウンドテクスチャー:うたをめぐる音声詞学論考作者:木石 岳白水社Amazonタイトルの通り、主にJ POPの有名曲を題材に取り、音声学や言語学などを駆使して、歌詞というものを音として読み解いていく、というなかなか画期的な1…

木下龍也『天才による凡人のための短歌教室』感想

東山公園にある書店ON READINGさんでサイン本が置いてあったのでつい買っちゃいました。天才による凡人のための短歌教室作者:木下 龍也ナナロク社Amazon タイトル通り、短歌の天才である木下先生が我々凡人に天才への道を教示してくれる短歌本です。 著者曰…

穂村弘『水中翼船炎上中』感想

エッセイばっかり大好きで歌集はあんまりちゃんと読んでこなかった(一応目は通したけど難しくて斜め読みしてた)穂村弘の前作から17年ぶりの第4歌集。水中翼船炎上中作者:穂村 弘講談社Amazon『シンジケート』『ドライドライアイス』は難しいし、『手紙魔まみ…

フィリップ・リドリー『恍惚のフラミンゴ』感想

著者は私の大好きな『柔らかい殻』という映画の監督なんですが、映画監督業以外にもマルチに活動しているらしいことを最近知り、小説家としての著書で邦訳されている本書をさっそく買っちゃいました。恍惚のフラミンゴ作者:フィリップ リドリー早川書房Amazo…

夏目漱石『文鳥・夢十夜』感想

『夢十夜』だけは高校生の頃に読んでいて、前からちょっと再読したいと思いつつも機会がなかったんですが、この度ヨルシカのアルバム『幻燈』とのコラボカバーになっていたのでヨルシカにわかファンとしては「いつ再読するの?今でしょ!」と思って買ってき…

グッバイ・サマー(2015)

ミシェル・ゴンドリー最新作にして、監督の原点に迫る自伝的青春映画だそうです。グッバイ、サマー スペシャル・プライス [DVD]アンジュ・ダルジャンAmazon 主人公のダニエルは14歳の男の子。小柄で綺麗な顔立ちのせいで女の子と間違えられたり「ミクロ」と…