偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

恋愛

イット・フォローズ

例によってフィルマークスに書いたのを流用ですが、なんせ支離滅裂な文章になってしまいながらこれ以上どう書けばいいのかまるっきり分からないのでとりあえずそのまま置いときます、という感じ。 推敲したいのはやまやまですけどもう眠いからそのまま載せて…

西澤保彦『死者は黄泉が得る』読書感想文

たしか去年あたりに「今年は西澤保彦を読むぜ」と息巻いたものの実は3冊くらいしか読んでなかったので、今年こそはマジで西澤保彦を読むぜ!......というものまぁアテにならないけど、気が向いてるうちは......。死者は黄泉が得る (講談社文庫)作者: 西澤保…

エンジェル、見えない恋人

ルイーズという女性は精神病院の中で息子のエンジェルを出産するが、彼は先天性の透明人間だった。思春期になったエンジェルは、マドレーヌという盲目の少女と恋に落ちるが......。エンジェル 見えない恋人 [DVD]出版社/メーカー: アルバトロス発売日: 2019/…

小川勝己『イヴの夜』読書感想文

非モテ青年の光司にやっとできた恋人・真由子。しかし、彼女は何者かに殺された。 一方、デリヘルに勤めるひとみは、店の運転手の男に淡い好意を寄せるが......。上手く生きられない2人を描いた、号泣必至の切ない極上ラブストーリーです。イヴの夜 (光文社…

バリー・リンドン

最近映画記事をまるっきりサボっていたので、久しぶりにこないだ見た最高な映画について載せときます。まぁ転載だけども......。バリーリンドン [Blu-ray]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2012/11/07メディア: Blu-ray クリック: 15回この…

道尾秀介『透明カメレオン』読書感想文

中学生の頃にハマった道尾秀介ですが、このたび例によってひさびさに読みました。本作は、道尾さんの作家生活10周年記念作品と銘打たれていて、彼が初めて読者のために書いた小説でもあるらしいです。 最近はご無沙汰でしたが一応昔からのファンとしては感慨…

若者のすべて

フジファブリックのかの名曲......ではなく、ルキノ・ヴィスコンティ監督、アラン・ドロン主演の1960年のモノクロ映画です。 若者のすべて ルキーノ・ヴィスコンティ Blu-ray出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2018/08/31メディア: Blu-rayこの商品…

連城三紀彦『白光』読書感想文

ひっさしぶりの連城三紀彦。 旧サイトにはたくさん感想のっけてるようになかなかのファンではあるのですが、少なくともこっちのブログ初めて以降は読んでなかったですね。この度久しぶりなので短めの長編でなおかつ評判もいい本書を選んでみましたが、うん、…

トマス・H・クック『心の砕ける音』読書感想文

現実家の兄・キャルと、ロマンチストの弟・ビリー。田舎の港町に暮らす正反対の兄弟の前に、ドーラという流れ者の女が現れた。 ビリーはドーラに恋をし、ロマンチストらしく彼女を「運命の女」だと思うようになる。 しかし少しして、ビリーは殺され、ドーラ…

フォレスト・ガンプ/一期一会

うちのオカンが映画好きでして、特に80年代から90年代前半、私が生まれて忙しくなる前くらいまでの名作は結構観てるんですが、そんなオカンに「一番好きな映画教えろや」と聞いたところこれを勧めていただいたので観てみたわけですが、まあぁぁ、最高ですね…

「アンダー・ザ・シルバー・レイク」への小並感、あるいはメモ程度の文章

フォロワーさんに勧められながらも観れないまま上映最終日を迎え、運良くその日に仕事が早く終わったのでこれも巡り合わせかと名駅まで観に行ってきました。 『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督による、L.A.を舞台にした映画です…

トマス・H・クック『夏草の記憶』読書感想文

チョクトーという田舎町で診療所を営む医師のベン。彼は今でも30年前のことを思い出す。高校生だったあの頃、転校生としてチョクトーの町にやってきた少女・ケリーに恋をしたこと。そして、あの夏、ケリーの身に起こった悲劇のことを......。夏草の記憶 (文…

海猫沢めろん『愛についての感じ』読んだ記録

新三大奇書としてお馴染み(?)の『左巻キ式ラストリゾート』の著者。まさかもう一度この人の作品を読むことになろうとは思いませんでしたが、今作は普通に面白かったです。愛についての感じ (講談社文庫)作者: 海猫沢めろん,市川春子出版社/メーカー: 講談社…

小川勝己『撓田村事件 ー iの遠近法的倒錯』

『眩暈を愛して夢を見よ』に続いて読むの2度目の小川勝己。 舞台は、岡山県香住村の撓田地区。村落合併以前からの閉鎖性から、香住村に吸収された後の現在も「撓田村」と呼ばれることもあるこの地区で、下半身をちぎり取られ不気味な装飾が施された遺体が発…

ベイビー・ドライバー

まあその時々の気分もありますが、基本的に「一番好きな映画」にはこれを挙げております。3回観ました。劇場公開時、DVD、そして先日の爆音映画祭での、計3回。一番好きのわりに少ないようですが、同じ映画を2回観ることもほぼない私としては快挙(?)。そし…

ムーンライズ・キングダム

ムーンライズ・キングダム スペシャル・プライス [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2014/11/05メディア: DVDこの商品を含むブログ (4件) を見る製作年:2012年 監督:ウェス・アンダーソン 出演: ジャレット・ギルマン、カーラ・ヘイワード、ブル…

多島斗志之『不思議島』読書感想文

多島斗志之。 本人が失明することを厭って失踪してしまったということが話題になった作家ですが、結局発見されることなく、恐らく死亡認定がなされてしまっているであろう年月が経ってしまっています。そういうことは知っていながらも作品は読んだことがなか…

武者小路実篤『友情』読書感想文

武者小路実篤という名前は前から聞いたことがあったのですが、彼の耄碌してから書いたらしい文章 僕も八十九歳になり、少し老人になったらしい。人間もいくらか老人になったらしい、人間としては少し老人になりすぎたらしい。いくらか賢くなったかもしれない…

バッファロー'66

最悪の俺に、とびっきりの天使がやってきた ......その通りです、とびっきりの天使に出会いました。 バッファロー'66 [DVD]出版社/メーカー: ギャガ・コミュニケーションズ発売日: 2014/03/28メディア: DVDこの商品を含むブログ (9件) を見る製作年:1998年 …

ザ・フライ

1958年の『蠅男の恐怖』のリメイクです。 リメイクとは言っても、そこは天下のクローネンバーグ大先生でして、ストーリー展開もテーマも見事に換骨奪胎して現代風にアップデートされています。 まぁ正直私はシンプルなラブストーリーだった前作の方が好みで…

西澤保彦『小説家 森奈津子の華麗なる事件簿』読書感想文

森奈津子シリーズ。 祥伝社文庫の中編「なつこ、孤島に囚われ。」、徳間文庫の短編集『キス』を一冊にまとめた再文庫化作品です。内容としてはSF×ミステリ×エロスということですが、前半はコメディタッチ、後半はやや真面目な雰囲気と一冊の中で作風が大きく…

「軽蔑」(ゴダールのやつ)

面白いけど好きじゃない映画、面白くないけど好きな映画、あります。面白くない上に嫌いだけど心に刺さる映画もまた......。これは最後のやつでしたね。軽蔑 [Blu-ray]出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2017/09/29メディア: Blu-rayこの商品を含…

藤野恵美『わたしの恋人』『ぼくの嘘』読書感想文

『ハルさん』のプチブームでミステリ界隈にも名前の届いてきた作家さんですが、今回紹介する2冊はミステリではなく青春恋愛小説です。 私も『ハルさん』を読んでその面白さについついこの2冊を手に取りましたが、これがまた面白く、すっかりファンになってし…

シェイプ・オブ・ウォーター

公開中のデルトロ最新作。正直デルトロ作品でそこまで好きなものがないので迷いましたが、やたら評判がいいので気になり、ジャスコの映画館のレイトショーで観に行きました。映画が終わる時間にはジャスコ本体は閉まっていて辺りは真っ暗。世界にこの映画館…

チェイシング・エイミー

これ、ヤバいとは思ってたんだよ......。 チェイシング・エイミー [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2012/04/04メディア: DVDこの商品を含むブログ (3件) を見る 製作年:1997 監督:ケヴィン・スミス 出演:ベン・アフレック、ジョーイ…

「きみに読む物語」ネタバレなし感想+ネタバレ解説

「ちゃん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃん」 (宮城道雄『春の海』より) はい、皆様あけましておめでとうございます。誰か見てる〜? えー、みなさん昨年はいかがでしたか?新年の抱負はありますか?私はですね、一昨年、昨年と人生最低の年を更新し続けて参…

スウィート17モンスター

こんにちは。青春拗らせマンです。 突然ですが、みなさんに質問です。以下のうち当てはまるもの全てに丸をつけてください。 ・恋人がいない・恋に恋している・友達は少ない方だと思う・パーティーが苦手だ・頻繁に劣等感に苛まれる・思い出すと叫びだしたく…

マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり

はあぁ〜〜、出会い、、無え〜〜......。 あ、いきなりため息ついてすみません。こんにちは。 いや〜実はさいきん彼女募集中なんですけど、出会いってその辺に落ちてないですよね〜。学生の頃は友達はほぼいなかったですけど、それでも部活とかでそれなりに…

三月のライオン(由良宣子。将棋じゃなくてね!)

「愛が動機なら やってはいけないことなんて 何ひとつ、ない」(本作ポスターより) 兄と妹の禁断の恋を、セリフも少なめに淡々と、ともすれば退屈なまでに淡々と描いた作品です。でも、全体にどこか文学的な雰囲気と色気があって、退屈だけど飽きはしないとい…

失恋の傷口に塩を塗る恋愛映画7選

☆まえがき フラれた時、モテる人ならコメディ映画でも観てすぐにつらさを忘れて次の恋に向かうものでしょう。でもね、私のような異性にモテる要素皆無のゴミクズ野郎は、つらい映画を観たりつらい音楽を聴いたりしていつまでもつらい気分に浸って悦に入って…