偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2020-01-01から1年間の記事一覧

私の読書履歴書 その3

承前。高校に入ってからは、友達が出来ませんでした。 一応部活には入っていたのでそこでは話す人がいたものの、クラスにはガチで1人も話せる相手がいない、いわゆるぼっちだったんすね。 でもうちの母校はかなり緩くて朗らかな雰囲気の学校だったので中学の…

君に捧げる「見立て」ミステリ10選

こんにちは。さて、毎週末、フォロワーのフミ様に捧げてきた10選シリーズですが、一身上の都合(ネタ切れ)により今回で最終回となります。 最後のテーマはずばり、見立て! ミステリにおけるガジェットの中でも密室や首斬りに並ぶ大人気のテーマですが、選ぼ…

日本探偵小説全集7『木々高太郎集』読書感想文

日本探偵小説全集。 大学の頃に結構読んでたんですけど、めちゃくちゃ久しぶりに未読の巻を読みました。日本探偵小説全集〈7〉木々高太郎集 (創元推理文庫)作者:木々 高太郎発売日: 1985/05/22メディア: 文庫 木々高太郎は元は大脳生理学者でもあり、本書に…

私の読書履歴書 その2

承前。中学校に入ると、いつの間にかスクールカーストというものが出来ていて、私はその下の方に位置付けられていました。 それでも一応友達はいたし、「なんかいつも本読んでて国語だけめっちゃ出来る奴」という立ち位置を確保してその一点に置いてだけ一目…

私の読書履歴書 その1

こんにちは。私です。さて、こないだフォロワーが「僕がミステリ好きになったワケ」みたいなしゃらくせえブログを書いてたから私もやってみようかと思ったんですよ。といっても、私の場合ほんとに記憶にないくらいの幼少のみぎりから本をお読みになっていた…

君に捧げる「青春」ミステリ10選

はい。今週もやってまいりました10選シリーズ。 今回のお題は青春ミステリです。 先週が恋愛ミステリだったのでやや被りそうになりつつ、恋愛だけではない青春の煌めきと苦悩、あるいは、青春時代だからこその切ない純愛......というところの差別化を意識し…

三山喬『ホームレス歌人のいた冬』読書感想文

えー、私が読む本って、小説が99%で、残りの1%もエッセイとかばっかで、ノンフィクションのルポルタージュなんて今まで読んだことなかったんすけど、今回はフォロワーさんに勧められたこの本を読んでみました。 めちゃ面白かった。教えてくれたメガネおじさ…

君に捧げる「恋愛」ミステリ10選

こんばんわ。 恒例になりました10選シリーズ、今週は恋愛ミステリ編にてお届けいたします。恋こそ、人生最大のミステリ。 というわけで、なるべく恋愛要素がキャラ付け程度に留まらない、ミステリ要素がなくなっても恋愛モノとして読めるような作品を選ぶよ…

トマス・フラナガン『アデスタを吹く冷たい風』読書感想文

はい。 ハヤカワミステリの復刊希望アンケートで人気が高かったために復刊された、幻の短編集、らしいです。アデスタを吹く冷たい風 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:トマス・フラナガン,宇野利泰(訳)発売日: 2015/06/04メディア: 文庫前半の4編は、有能だが…

君に捧げる「切断」ミステリ10選

へへへ、先週に引き続き、Twitterでやったやつのまとめです。 今回のテーマは「切断」! ほんとはいろんな部位を切断したかったけど、読書量の少なさから首斬りが多くなってしまったのはお恥ずかしい限り。しかしどれも面白いことだけは間違いないですからね…

スピッツ『小さな生き物』今更感想

はい、スピッツ今更感想シリーズです。 とげまると醒めないは書いたので、今回はその2枚の間に挟まれた14枚目のアルバムである『小さな生き物』について書きます!小さな生き物 【デラックスエディション(完全数量限定生産盤)】(SHM-CD + 2Blu-ray)アーティ…

君に捧げる「作中作」ミステリ10選

へへへ、昨日Twitterでお友達のフミさんに捧げるためにやったやつですが、貧乏性なのでついでにブログに載せて記事数を稼いどこうと思います 今回選んだのは作中作が出てくるミステリの10選。 個人的な好みが反映され、作中作をテキストとして読み解いていく…

イディオッツ

『奇跡の海』(1996)に続く"黄金の心"三部作の第2作です。イディオッツ [DVD]発売日: 2011/09/07メディア: DVD 深い悲しみに沈む女性カレンは、レストランで知的障害者の団体に出会う。 彼らは実は障害者のふりをして迷惑行為を行う団体だった。しかし、カレ…

アレン・エスケンス『償いの雪が降る』読書感想文

先日まだギリギリ不要不急に外出してもOKだった頃にフォロワーさんたちと本屋に行って、ケーキおじさんって人に勧められて買った本です。償いの雪が降る (創元推理文庫)作者:アレン・エスケンス発売日: 2018/12/20メディア: 文庫 英語の授業のレポートで身近…

奇跡の海

ラース・フォン・トリアーにハマってます。もうほんと、最悪な映画しかないんだけど、その最悪がなぜかクセになるんですよね......。 本作『奇跡の海』は1996年の作品で、『イディオッツ』(1998)、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)と並んで『黄金の心』…

マンダレイ

ドッグヴィルの続編であり、"機会の土地アメリカ"3部作の2作目に位置づけられる作品です。 トリアー監督の作品は多くがなんとか3部作というくくりにはなってますが、この連作に関しては、本当にキャラとかの設定も引き継いだシリーズものになっています。 た…

村上春樹『レキシントンの幽霊』読書感想文

たまぁ〜〜に読みたくなる村上春樹の短編集。レキシントンの幽霊 (文春文庫)作者:春樹, 村上発売日: 1999/10/08メディア: 文庫 実は大学生の頃の半分くらい読んで、そこそこ面白かった気もするんですが、なんとなく全部は読まずにやめちゃってたんですよね。…

穂村弘『もしもし、運命の人ですか。』を読んだ

女の子を本当に好きになったことがない。 もちろん、好きになったことはある。 でも、私が思う"本当"は『きみに読む物語』のラストシーンみたいな、ああいうことなんですよ。 そもそも、私は私のことを好きになるようなセンスのかけらもない人間に魅力を感じ…

indigo la End『濡れゆく私小説』の感想だよ!

indigo la Endの、メジャーでは5枚目のアルバムです。濡れゆく私小説(通常盤)アーティスト:indigo la End発売日: 2019/10/09メディア: CD濡れゆく私小説(初回限定盤)アーティスト:indigo la End発売日: 2019/10/09メディア: CD 川谷絵音、どんどん仕事を増…

米澤穂信『いまさら翼といわれても』読書感想文

小市民新作に続き、こっちもまだ読んでなかったのでこの機会に読みました。 いまさら翼といわれても (角川文庫)作者:米澤 穂信発売日: 2019/06/14メディア: 文庫 古典部シリーズもアニメを観て以来遠ざかっていたのですが、原作読んだ上でアニメまで観たので…

石持浅海『相互確証破壊』読書感想文

ひゃうっ! フォロワーの藍川ちゃんに、「この本気になるけどヤバそうだから毒味して」と頼まれて読んでみた、石持浅海によるエロミス短編集です。相互確証破壊作者:石持 浅海発売日: 2014/07/24メディア: 単行本 「官能ミステリを描いてくれ」という編集者…

米澤穂信『巴里マカロンの謎』読書感想文

実に11年ぶりの小市民シリーズ最新刊。 ......といっても「冬期限定」ではなく4つの短編を集めた作品集です。てっきり春夏秋冬の四部作だと思っていたので番外編とはいえ1冊余分に読めるのは嬉しいですね。ただ、やはり冬期の名を冠した作品もそろそろ読みた…

ドッグヴィル

ミッドサマーの影響で、村がヤバいという本作を観ました。そしてハマってしまい、ひとりラース・フォン・トリアー映画祭をしています。死にてえ......。 ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD]発売日: 2004/07/23メディア: DVD 山奥の貧しい村ドッグ…

ミッドサマー

アリ・アスター、待望の2作目。観てきました。 どうでもよすぎるけど、『アリー/スター誕生』という映画を「アリ・アスター」と空目しがちな今日この頃の俺だ〜。で、はい、恐らく、コロナウイルスによる前倒し需要も込みだとは思いますが、それにしても平日…

1917 命をかけた伝令

映画詳しくないんでわかんないですけど、アカデミーショーコーホ?とかいうのに選ばれた話題作ですね。筋は、2人の軍人が遠隔地にいる味方軍に伝令書を届けるってゆうお話。 ほんとにまじで、「手紙を持って行く」だけというベリーシンプルなものですが、話…

下村敦史『闇に香る嘘』読書感想文

第60回江戸川乱歩賞を受賞したデビュー作。デビュー作らしい詰め込み具合と、しかしデビュー作らしからぬ巧さを兼ね備えていて、各選考委員が絶賛したというのも納得の傑作でした。闇に香る嘘 (講談社文庫)作者:下村 敦史出版社/メーカー: 講談社発売日: 201…

みなさんには、夢はありますか?私には、あります。いや、ありました。 ーーー私は今日、それを叶えてきました。 俺には夢がある 両手じゃ抱えきれない(THE BLUE HEARTS「夢」より) そう、、、 「ミスタードーナツで、ドーナツ全部食う」!!!それが、幼少…

浦賀和宏『究極の純愛小説を、君に』読書感想文

なんと、驚くべきことに今年に入ってから浦賀和宏の本しか読んでないです。 こんなんじゃどんどん根暗になっていくのでそろそろ他の人の本を読みたい! 究極の純愛小説を、君に (徳間文庫)作者:浦賀 和宏出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2015/06/05メディ…

浦賀和宏『生まれ来る子供たちのために』読書感想文

ついに決定的な破綻を来してしまった剛士と純菜の関係。さらに妹の美穂の身にも悲劇が。明かされる八木の出生の秘密。そんなことより、こんなもん書いた作者の浦賀和宏を俺は一生許さねえ!俺の復讐が始まるぜ! 生まれ来る子供たちのために (講談社ノベルス…

浦賀和宏『地球人類最後の事件』読書感想文

ついにあれをあれした八木剛士だったが、あれにあれされてあれれのれ。 そのあれはあれだったものの、剛士はついにあれをあれしてしまい......。地球人類最後の事件 (講談社ノベルス)作者:浦賀和宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/08/30メディア: Kindl…