偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

私の読書履歴書 その3

承前。

高校に入ってからは、友達が出来ませんでした。
一応部活には入っていたのでそこでは話す人がいたものの、クラスにはガチで1人も話せる相手がいない、いわゆるぼっちだったんすね。
でもうちの母校はかなり緩くて朗らかな雰囲気の学校だったので中学の時みたいにいじめられることもほとんどなく、友達いなくても全然快適に暮らせました(まじありがたい)。

おかげで高校時代は2日に1冊に近いペースで本を読めてましたね。勉強もしなかったし。

で、そんな感じで読書三昧の日々を過ごしていた、あれは高1の夏休みのことでした。
当時私はブックオフオンラインを覚えて、それで何冊かの本を注文してみて、それが届いたんです。
クーラーの効いた部屋で、ソファは今使っているのの前の代のもので、そのソファに寝転がって、ワクワクしながらその本を読み始めたことを今でも鮮烈に覚えています。
この本との出会いは、それほどまでに特別だったんですね。

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

もうね、衝撃よ。
「なんぞこれは!こんなことがあり得るのか!すげえ!なになに?しんほんかくみすてりぃ?なんや、その、しんほんかくみすてりぃの本を読めばこんな驚きがまた味わえるのか!?」

かくして、私の新本格ミステリを巡る巡礼の旅が始まる。

館シリーズを、歌野晶午を、我孫子武丸を、法月綸太郎を、二階堂黎人を、倉知淳を、読んだ。
読むたびに、あるいは衝撃のどんでん返しに驚愕し、あるいは旧家に密室に名探偵にという濃密なミステリ世界観に酔いしれ、学校帰りに定期券で行けるブックオフを梯子してまた新しい本を買い......と、ずぶずぶと沼にハマっていき、読書量も増えるが追いつかず積読も増える日々を送った。

そんなある日、私はまたも、特別な出会いを迎えます。それがこれ。

はい、もうここまで来たらおしまいですよ。あとはもう、


こうで、

六枚のとんかつ (講談社文庫)

六枚のとんかつ (講談社文庫)

こうで、

こうです。



もうこうなってくると、いつでも本を読み続けていましたね。
登下校時や授業中はもちろん、友達いないから体育祭の最中も運動場で泡坂妻夫の『乱れからくり』を読み、修学旅行では同じ部屋の子たちがよその部屋に遊びに行ったのをこれ幸いと1人ホテルの部屋でホラー気分で綾辻行人の『緋色の囁き』を読んだ。
意外と、どういうシチュエーションで何を読んだかって覚えているものですね。

乱れからくり (創元推理文庫)

乱れからくり (創元推理文庫)

緋色の囁き (講談社文庫)

緋色の囁き (講談社文庫)

そんだけ協調性がないと、さすがにちょっといじめられたけど、お前らなんか首斬って見立て殺人にしてやると思って耐えました。

そして、放課後は部室か図書室に籠り、図書委員の権限で「俺の好きなミステリ10選」を図書室の入り口前特設コーナーにぶち上げて遊んだ。楽しかったなぁ......。


そんなんだから、受験勉強の時でさえも、親に「図書館で勉強してくる!」と言い残して、図書館で読書をした。だって図書館は本を読む場所だから!
受験生の時に何故か四大奇書を読破したんすよね。あれはバカだった。

黒死館殺人事件

黒死館殺人事件

ドグラ・マグラ(上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ(上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ(下) (角川文庫)

ドグラ・マグラ(下) (角川文庫)

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(下) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(下) (講談社文庫)

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)


そんなことしてたけど、私大文系志望で国語英語日本史だけで受験できたので、国語は本読み過ぎでほぼ満点取れたし、英語はマジ無理だから捨てて日本史だけ勉強してたら受かった。天才ですね。


そして、薔薇色のキャンパスライフの幕開け!というところを次回書きます。今日はここまで。ばいちゃ。