偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2019-01-01から1年間の記事一覧

西澤保彦『殺意の集う夜』読書感想文

またしてもの西澤保彦ですね。殺意の集う夜 (講談社文庫)作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/12/03メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 友人の園子に無理やり連れられ嵐の山荘を訪れることになってしまった万理。そこには、一癖も…

indigo la End『藍色ミュージック』の感想だよ

2枚目と4枚目を書いたんだからということで、今回はindigo la Endの3枚目のフルアルバム『藍色ミュージック』の感想だよ。もう私はメジャーデビュー以降のindigoのアルバムの感想を書くのをライフワークにしますよ。 藍色ミュージック(通常盤)アーティスト:i…

西澤保彦『小説家 森奈津子の妖艶なる事件簿 両性具有迷宮』読書感想文

『両性具有迷宮』を改題、『小説家 森奈津子の華麗なる事件簿』と同じく実業之日本社文庫から新装文庫化された、森奈津子シリーズの2冊目です。小説家 森奈津子の妖艶なる事件簿 (実業之日本社文庫)作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2015…

法月綸太郎『パズル崩壊』読書感想文

パズル崩壊 WHODUNIT SURVIVAL 1992‐95 (角川文庫)作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2015/12/25メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 法月探偵が出てこない初の短編というのを含む、全8編のノンシリーズ(?)短編集です。一応…

上田早夕里『魚舟・獣舟』読書感想文

普段ほとんどSFって読まないんですけど、これはなんだかあまりにもツイッターとかでの評判がよろしかったものですからつい買ってしまったのですが、たしかに面白かったです。魚舟・獣舟 (光文社文庫)作者: 上田早夕里出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/01…

西澤保彦『死者は黄泉が得る』読書感想文

たしか去年あたりに「今年は西澤保彦を読むぜ」と息巻いたものの実は3冊くらいしか読んでなかったので、今年こそはマジで西澤保彦を読むぜ!......というものまぁアテにならないけど、気が向いてるうちは......。死者は黄泉が得る (講談社文庫)作者: 西澤保…

エンジェル、見えない恋人

ルイーズという女性は精神病院の中で息子のエンジェルを出産するが、彼は先天性の透明人間だった。思春期になったエンジェルは、マドレーヌという盲目の少女と恋に落ちるが......。エンジェル 見えない恋人 [DVD]出版社/メーカー: アルバトロス発売日: 2019/…

牧薩次『郷愁という名の密室』読書感想文

辻真先の変名で、本格ミステリ大賞を受賞した『完全恋愛』でおなじみの牧薩次。本作は彼の2作目の長編にして今のところの最新作。平成も終わったことですし、牧氏には平成版『完全恋愛』みたいなのも書いて欲しいところですよね。郷愁という名の密室 (小学館…

スピッツ『とげまる』今更感想

はい、スピッツ全作感想シリーズ第3回。 今回は、記念すべき、私が初めてリアタイで新作で自分のお金で買ったスピッツのアルバムである『とげまる』です!とげまるアーティスト: スピッツ出版社/メーカー: A-hi Records発売日: 2010/10/27メディア: CD購入: …

道尾秀介『鏡の花』読書感想文

道尾ブーム第何弾かもう忘れたけどこれも未読だったので読みました。鏡の花 (集英社文庫)作者: 道尾秀介出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/09/16メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る本書は同じ集英社刊の『光媒の花』に連なる連作群像劇....…

小川勝己『イヴの夜』読書感想文

非モテ青年の光司にやっとできた恋人・真由子。しかし、彼女は何者かに殺された。 一方、デリヘルに勤めるひとみは、店の運転手の男に淡い好意を寄せるが......。上手く生きられない2人を描いた、号泣必至の切ない極上ラブストーリーです。イヴの夜 (光文社…

バリー・リンドン

最近映画記事をまるっきりサボっていたので、久しぶりにこないだ見た最高な映画について載せときます。まぁ転載だけども......。バリーリンドン [Blu-ray]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2012/11/07メディア: Blu-ray クリック: 15回この…

道尾秀介『月と蟹』読書感想文

はい、道尾リバイバル第4弾。 2009年から毎回連続で直木賞候補に名前の上がっていた道尾さんがついに5度目の正直で受賞を果たしたのが本作。 その当時には「あ、道尾秀介とったじゃん」と思ったものの、個人的には道尾離れの時期だったのでそれから放置して…

伊坂幸太郎『火星に住むつもりかい?』読書感想文

最近中学の時にハマってた道尾秀介の未読作品を補完していってるのですが、その流れで同じく中学の時にハマってた伊坂幸太郎の未読作品も読みたくなって買い揃えてしまいました。そんなわけで、しばらくは道尾と伊坂を行き来するような生活が続きそうです。…

道尾秀介『カササギたちの四季』読書感想文

My道尾リバイバルブーム第3弾は、ミステリ界隈でも話題になったこの作品。リサイクルショップを営む華沙々木と、その友人で唯一の店員である日暮、そして店に入り浸る中学生の菜美ちゃんの3人が四季折々に出会うちょっとした事件たちを描いた日常の謎連作短…

道尾秀介『水の柩』読書感想文

というわけで、道尾熱が再燃したことによる道尾秀介強化月間の第2弾です。 老舗旅館の息子の逸夫は、中学校の文化祭をきっかけに同級生の敦子と親しくなり、彼女にタイムカプセルに入れた手紙を取り替えるのを手伝ってくれと頼まれる。普通な自分の退屈な生…

キアロスタミの『ジグザグ道3部作』を観ました。

はい、というわけで3月のふぇいばりっとの番外編として、キアロスタミ監督による『ジグザグ道3部作』の軽い感想をまとめときます。 TUTAYAの発掘良品やシネフィルWOWOWの「今月の巨匠」のコーナーで取り上げられたりと、今、映画ファンの間でプチブームのキ…

偽物の個展

こんにちは。先日のことですが、私が幼稚園の頃に通っていたアトリエ教室の先生のご家族の方から(先生は数年前に亡くなっていたらしくそれもびっくりだったのですが)私が当時書いていた絵を返送しますと言うハガキが来てびっくりしました。 なんせ20年ほど前…

道尾秀介『透明カメレオン』読書感想文

中学生の頃にハマった道尾秀介ですが、このたび例によってひさびさに読みました。本作は、道尾さんの作家生活10周年記念作品と銘打たれていて、彼が初めて読者のために書いた小説でもあるらしいです。 最近はご無沙汰でしたが一応昔からのファンとしては感慨…

倉野憲比古『スノウブラインド』読書感想文

昨今では珍しく新人賞などは取らずに本書でデビューし、その後もう一冊だけ長編を上梓したっきりの幻の探偵作家、倉野憲比古。 ずっと前にフォロワー氏に勧められていたものの文庫派だからハードカバーはなぁ......などと言っているうちに読む機を逸していた…

トマス・H・クック『蜘蛛の巣のなかへ』読書感想文

教師のロイは、余命短い父親を看取るために故郷の町へ帰る。あるきっかけでかつて弟が起こしたとされる事件の謎を探るうちに、ロイは父の過去と弟の死にまつわる蜘蛛の巣のような謎に絡め取られていき......。蜘蛛の巣のなかへ (文春文庫)作者: トマス・H・…

小林泰三『殺人鬼にまつわる備忘録』読書感想文

というわけで、前回の記事に書い‪た『忌憶』所収の「垝憶」という中編を長編化したのが本書です。‬殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2018/10/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る‪とある事…

小林泰三『忌憶』読書感想文

久しぶりの小林泰三......ってなんか最近読書記録を書くたびに久しぶりって言ってる気がしますね。読書量が減ったからしゃーないねん......。忌憶 (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/03メディア: 文庫 クリック: 6回この…

Apple Musicに加入しました

はい、しました。正直なところ、これまでストリーミングってのにはちょっと反発心がありまして。 その理由ってのはまぁ、やっぱCDへの愛着だとか、ストリーミングでたら〜っと音楽流してアルバム単位とかで聴かない人への嫌悪感だとか、「作品」というものへ…

谷崎潤一郎『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』読書感想文

久しぶりの谷崎。書名の通りマゾヒズムが題材の短編を集めた本です。 中村佑介のイケない感じの表紙絵に惹かれて買ったわけですよ。そりゃそうさ!谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 (集英社文庫)作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/09…

藤野恵美『おなじ世界のどこかで』読書感想文

『ふたりの文化祭』を読み終えた足で本書を買いに行き、その日のうちに読み終えてしまいました。NHKオンラインで連載されていたSNSやインターネットにまつわる連作短編集です。おなじ世界のどこかで (角川文庫)作者: 藤野恵美出版社/メーカー: KADOKAWA発売…

藤野恵美『ふたりの文化祭』読書感想文

ふたりの文化祭 (角川文庫)作者: 藤野恵美出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/02/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見る本屋で新刊のコーナー見てたらこのタイトルを見つけて「え、え、え、えぇ〜〜!?」と叫びました(心の中で)。 そう、本書は完…

若者のすべて

フジファブリックのかの名曲......ではなく、ルキノ・ヴィスコンティ監督、アラン・ドロン主演の1960年のモノクロ映画です。 若者のすべて ルキーノ・ヴィスコンティ Blu-ray出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2018/08/31メディア: Blu-rayこの商品…

『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』読書感想文

タイトル通り、アリス先生が選ぶ本格短編アンソロジー。 いきなり失礼なこと言いますが、作家としての有栖川有栖にはそこまで興味がなくて、学生シリーズこそ好きで全部読んでるものの、作家シリーズの方は短編集読んであんまり肌に合わなくてやめちゃいまし…

スピッツ『フェイクファー』今更感想

スピッツ全作感想シリーズ(目標)第2弾でございます。 今回はファン人気の高いこのアルバム!フェイクファーアーティスト: スピッツ出版社/メーカー: ユニバーサルJ発売日: 2002/10/16メディア: CD購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (193件) を見…