偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

大大大好きなバンドの新曲が全然いいと思えない話。

伏せる意味があるのかどうか分からないけどいちおう名前は伏せてとある大大大好きなバンドの話なんですけど、先日そのバンドのライブに行ったらいきなり未発表の新曲をやりはじめてそれがめちゃくちゃ良かった、本当にそのバンドの今までの曲の中でもトップクラスに好きだとライブで1回聴いただけで感じてて、それが次のアルバムに入るらしいからめちゃくちゃ楽しみにしてたんですよ。
そしたらその曲が先行配信されることになったんだけど、なんと亀田誠治がプロデュースをするらしい、と。そんでその時点から薄々嫌な予感はしてたんだけど、実際リリースされて聴いてみたら予感は的中してなんかもう全然ダメなんすよ。ライブではあんなにカッコよかったのになんか凄いダサい音になってて、今まで通りセルフプロデュースでやっててくれたら大好きな曲になったはずなのにと思うとなんかもうあんま聴く気も起きなくて先行配信された日に数回聴いて以来全然聴いてないんです。
もちろんこの音楽不況の中で売れる兆しが見えてきたのは良いことだし、売れなきゃ食ってけないわけですから私だって大好きなメンバーの方々に食いっぱぐれてほしいわけじゃないんですけど、いざ大好きだった音が外部からの介入によって歪められてみると、陳腐でアホくさい言い方だけど魂を売り渡した感じがしてしまってやっぱりどうもあんまり聴く気が起きないし、あんなに楽しみにしてたアルバムへの期待もなんか遊び飽きて放ったらかしにした風船のようにじわじわと萎んでいってしまって、挙げ句の果てにはこのまま当該バンドへの溢れてやまない愛そのものが醒める可能性まで(今んところそこまで重症ではないけど)頭を掠めて、今後もこういう感じだったらなんか緩やかに聴かなくなって昔の曲だけ思い出したように聴いて鑑賞に浸る青春の残りカスみたいなものになってしまうんじゃないか、なんて気の早い心配さえしてしまう始末。なんせ好きな音楽を失う苦しみは前にも経験しているのでまたあんなことがあったらわりと立ち直れない気がする......。
しかし考えてみればスピッツ亀田誠治プロデュースなんだけど、スピッツは私が知った時からもう亀田さんだったし(さざなみCD)、むしろ最近の曲はだんだん亀田感が薄れて一時期より断然カッコよくなってるしスピッツへの愛は盲信に近いものなので別に平気なんだけど。
というか別に亀田さんのこと嫌いなわけじゃないんだけど、東京事変みたいなバチクソかっこいいバンドやってるわりになんかあの人がプロデュースするとJPOP圧が高まってダサくなってしまうのはなんとかならないんでしょうか。
そんな感じでなんかもうこないだまで飽きずに聴きまくってたのが嘘のように当該バンドの曲自体聴かなくなってしまったし、そもそも次のアルバム先行配信ばっかでもはや知らない曲4曲くらいしかないから普通に米津玄師の新作(20曲入りだから大半が既発曲なのにまだ知らない曲が7曲も!)の方が楽しみですらあるし、というかずっと前にミニアルバムに入れた曲をわざわざ再録するならもっと新曲入れてくれよみたいな不満も八つ当たりみたいな感じに湧いてきてしまってなんか本当に私はもうダメなのかもしれない。あのバンドのことはもうあとはみんなに任せます......。
とか言っててアルバム出たらこんなこと忘れて喜んで聴いてるんだろうけど、今だけのこの気持ちを供養させてください。