偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

リーガルリリーのファンをやめた話

苦しい気持ちをブログに書いたら苦しみは和らぐのかといえば別にそうでもない気もするし、むしろ書いてしまうことで思考がそこに固定されて苦しみから逃れられなくなっていくような気もするんですが、それでもTwitterで毎日死にたい死にたいと書いているよりはまとまった量の文章をどーんとブログに載せて多少なりともすっきりしておいた方がいい気がするので書くなり。

先日もちょっと新曲が気に入らないみたいな話は書いたのでほとんど同じ内容の繰り返しなんですけど、あれから雑誌のインタビューを読んだりニューアルバムのトレーラーを聴いたりしていよいよこれはもう、無理だなと思ったため、この度リーガルリリーのファンをやめさせていただくことを決意いたしました。

リーガルリリーの魅力はというとどうしても歌詞とか声とかを挙げちゃいがちなんですが、思えば最初にビビッと来たのはオートバックスの有線で「1997」を聴いた時で別に歌詞とか聴き取れなくてただいかにもオルタナって感じのサウンドに惹かれて聴くようになったのがはじまりで、めちゃくちゃハマったのもコロナ禍で鬱々とした気分の時に聴いた『Cとし生けるもの』の特に冒頭3曲の痛快なギターの炸裂に救われたような気持ちになったからで、結局のところ声とか言葉以前に愚直なギターロックサウンドが好きなところの全てだったんですよね。誰が何と言おうと、本人たちが何と言おうと、私にとってリーガルリリーとはまずギターロックであったわけです。
だから、既発曲が大半の上に新曲では亀田誠治がプロデュースしててJ POP圧増し増しのダサいアレンジになってたりピアノとかストリングスとかが入ったりするアルバムを聴く気にどうしてもなれないし、インタビューで「スリーピースとかギターロックにこだわるつもりはない」と、私の好きだったところを全否定されてしまってはもう今までのように聴き続けることは出来ないな、と思ってしまいました。
これが別にそんなに思い入れがあるわけでもなくちょっと曲が好きくらいのバンドだったら「なんか昔の曲のがいいけどなー」と思いながらも惰性で聴き続けることも出来るけど、好きすぎてそんな半端な気持ちで聴くことはできないし、彼女らの今後を応援することなしに昔の曲に浸ることもしたくないので、まぁ当面は昔の曲も全く聴かないと思う。あんなに楽しみにしていたアルバムの予約もキャンセルしちゃったし。いや、ほんとに去年から楽しみにしてたし少し前まではだんだんリリースが近づいてきたとソワソワしてワクワクしてたわけですから、あの頃の自分が可哀想すぎる......。というか、仮に今回は聴いたとしてもじゃあ次のアルバムがこんな感じの曲ばっかだったらと思うともう今のうちに離れておいた方が傷つかずに済むというのもあるし。
もちろん、売れることは大事だよ。インタビューで言ってた「もっと広く届けたい」みたいなのも分かるし、この音楽不況の中でデカめのタイアップがついたりしたこのタイミングでそっちに舵を切るのは正しいと思う。ただ、自分のために歌ってくれているようなところに惹かれていたファンには広く届けたいと思って作る作品はどうやら届かないみたいです。
ブログというのは俺の城なのでここでは言っちゃいけないことだって言いますけど、正直もう、ゆきやま脱退の時に解散しててくれればよかったのにと思う。ギターロックやんないならもうソロでええやん。
そんな醜い考えを持ってしまう自分も嫌だし、とにかく聴けない音楽がどんどん増えていく。これじゃあ「音楽」じゃなくて「音が苦」ですよ。
私はどう生きるか。
とりあえず、もう狂おしいほどに好きなバンドを作らないようにしたい。どうやら私は好きになればなるほど音が変わったりボーカルが差別発言をしたりといった少しのズレも許せないせこい人間になってしまうようです(a.k.a LOVE PHANTOM)。なので、今後はだいぶ好きなGRAPEVINEと米津とずとまよとおいしくるメロンパンに愛を分散させて雑に推して回していくことにします。だって好きにならなければ失う辛さも味わわなくて済むんだし、もうこの歳になっていい加減下手くそな失恋を繰り返すみたいなことはもう疲れた。もう疲れましたよ私は。死にたいとまでは言わないけど明日の朝目が覚めなければいいなと毎日思う。