幼い頃に母親の死を幻視したバージニア。大人になり富豪の男と結婚するが、殺人者が壁に死体を埋める場面を幻視してしまう。やがて夫が所有する屋敷の壁から女の白骨死体が見つかり......。
U-NEXTにフルチ監督のメインどころじゃない作品ばっかり残ってて、観てないのもかなりあるので観ていこうと思ってます。
本作はサンゲリアや地獄の門に先駆けた77年の作品で、後のバカみたいなゴア描写で圧倒する作品群に比べてエログロ控えめで地味な作品にはなっています。
しかしその分、ミステリ映画としてしっかりと考えて作られたストーリーは抜群に面白く、主人公の幻視能力を前提として進む様は昨今流行りの特殊設定ミステリとしても観られるようになっています。
なんせ屋敷の壁から白骨死体が出土するという幻視一本で突っ切る話なので中盤まではかなり地味な展開が続きちょいかったるさはたります。
その中でも冒頭の崖から落ちるシーンの無駄なゴア描写(普通の映画ならただ落ちるだけなのに......)とか白骨のキモさとかは良かったです。
また幻視のシーンの昭和レトロ的な薄暗い赤や煌びやかな照明の色気のある美しさと、現実パートの味気なさのギャップなんかも味わい深く、映像の快楽がしっかりあるからかったるくてもなんとか観ていられます。
そしてなんといっても終盤に差し掛かる頃に明かされるとある錯誤や、犯人の正体など、最後の方で急に意外としっかりミステリとして練られていることに気付かされて「おもろいことやっとるやんけ......」と認めざるを得なくなりました。
意外性がそのままスリルにも繋がるような緊張感のあるクライマックスも素晴らしいし、そのまま終わっちゃう終わり方がとにかくかっこいい。エンディングの曲のオシャレさも含めて粋な終わり方だなと思います。
って感じで、地味ですがその分しっかりとしたストーリーが楽しめる作品で、少なくともミステリファンにはなかなかオススメしたい変なミステリ映画でした。
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