両親を亡くした神父のダグはひょんなことから恐竜に変身する力を手に入れてしまう。ダグは、力の暴走で図らずも助けることになった娼婦のキャロルと共に、悪の忍者軍団と戦うことを決意し......。
今は亡き大須シネマさんで上映されてた時から気になりつつ「サメじゃないしなー」という謎の理由で観てなかった本作。しかし先日読了した久永実木彦『わたしたちの怪獣』所収の「アタック・オブ・ザ・キラートマトを観ながら」にタイトルが出てきたので「そういえば観てなかったなぁ」と本作の存在を思い出して今更ながらU-NEXTで観ました。
なんだろう、好きな部分も嫌いな部分もあるけどトータルそんなに悪くないというか、Z級映画の中ではA級みたいな感じでしたね!
とりあえず冒頭の車の爆破シーンはホンマにアカン。ああいう中途半端にメタ的なネタはやっぱ観てて醒めるし、それが冒頭に来ちゃってるのが個人的にはだいぶもったいないポイント。ギャグに徹するかあくまで真面目にやるかのどちらかであってほしい感じはしちゃいます。
とはいえ、冒頭のそこを抜けばだいぶ面白......くはないけどまぁ観れるしところどころ笑える良作であったかな、と。
神父が恐竜になって忍者と戦うという時点でまぁもちろんアホ映画ではあるんですが、神父・恐竜・忍者という全く住む世界の異なる設定を混ぜ合わせるサブジャンルミックス的なセンスはなかなか好きです。
また、物語には信仰のあり方や善とは何か?という過去の名作映画にも通じる深いテーマがマジで込められていて、この感じでこんな真面目な話をやるんか......と驚かされました。
「神の救いに値しない奴もいるの」
信仰に殉ずるか、自身の心の善に従うか、という究極の選択を迫られる主人公ダグの姿にはグッと来るし、彼を導くヒロインのキャロルも芯があり思慮深い素敵なキャラクターでした。普通に素手で忍者を倒しちゃう謎の強さはご愛嬌。てかこの2人がこういう映画にしてはちゃんと美男美女なのも笑えてしまう......。
中盤もさすがにダレないとは言わないもののスプリットスクリーンセックスだったり懺悔室だったりと魅力的な映像演出を連打してくるので思ったより飽きずに観られました。なんだろう、家で観るとダルいけど映画館で観てたら絶対入り込んでただろうな、くらいのラインの......。
そんで、ぶっちゃけ悪役の忍者軍団が何なのかとかもよく分かってないし、それを言うなら何で恐竜なのかとかもさっぱり分からなかったのでそこは賢い考察班の方々にお任せしたいですが、とりあえずクライマックスがあまりに馬鹿馬鹿しいながらも一応アクションとしてそれなりにサマになっているのがまたじわじわと笑えるポイント。これでバトルシーンがグダグダだったり撮り方で変に誤魔化されたりしてたら「所詮その程度の作品か......」ってなりますけど、ここがわりかしちゃんと頑張って演舞してるので努力賞的な感じで憎めない作品になっています。
あと、SHE'S FINE!はさすがに笑いました......いや、これはズルい......。
まぁそんなわけで、全然一般人にオススメはしないものの、Z級映画に理解のある方にはぜひオススメしたいなかなかの良作でした。恐竜の等身バランスが可愛すぎるんじゃ......。
