偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

13日の金曜日Part7/新しい恐怖(1988)


超能力を持つティナは幼い頃にその力で父親を死なせてしまったことで心を病み、母親と医師と共に治療のために因縁の地クリスタルレイクを訪れていた。力を使って池の底に眠る父親を引き上げようとするティナだったが、誤ってジェイソンを甦らせてしまう......。


まさかシリーズ7作目にしてここまで面白いのが出てくるとは!いや、私はトンチキ映画好きなのでこれかなり好きでしたね。
The New Bloodというタイトルの通り、オープニングでこれまでのシリーズヒストリーが総集編的に流れ、前作のクライマックスも見せてくれるところからして楽しい。

そして本作の最大の魅力はやはり「超能力」と「ジェイソン」という相容れない要素を無理やり混ぜ合わせることで生まれる違和感でしょう。

まず自身の超能力のせいで父親を死なせてしまいトラウマに苦しむ女性を主役に据えたことで、例えばなんとなくトミーがジェイソンを復活させて何となく倒そうとするだけの前作なんかと比べてもドラマとしての軸がしっかりしていて普通に面白いんですよね。ここだけ切り取って膨らましてもちゃんと物語として成立するというか。
そんな普通に面白いところに、なぜかジェイソンがぶち込まれてしまう笑。ジェイソンだって単体なら別にギャグキャラではなく恐ろしい存在......なんだけど、超能力によって池から引き上げられるジェイソンの絵面とかギャグでしかないんだよなぁ......。

その後もいつものジェイソンによる殺戮が描かれつつも、並行してティナが医者に反発したり隣の家で若者たちが誕生日パーティーしてるのに呼ばれて奇異の目で見られたりもしつつ1人の男と恋に落ちたりとしっかりストーリーが展開されていきます。
また殺し方にしても全体の印象ですが前作よりだいぶ冴えてた気がしますね。納屋での息詰まるかくれんぼが良かった。例によってみんなセックスしてて殺されるのにセックス出来なかった青年まで殺られるのが可哀想すぎて彼だけは助けてやって欲しかった......。

そんなこんなで結構常に面白いんですが、やはりクライマックスのジェイソンと超能力で戦うくだりが圧倒的に楽しかった。
なんせパワーでは無敵のジェイソンだけど念力で物ぶつけられたりしたら普通に吹っ飛んだりするんだというところにシュールな可笑しみがあります。
土葬は無理でも火葬ならイケる!?的な展開とか、生首の刺さった植木鉢を見て「きゃー」ゆうてからそれ飛ばすとことか、階段落ちとか全体的に漂う『キャリー』っぽさとかいちいちおもろい。そして最終的にはやっぱりそうなるのね、という感じで、ジェイソンが不死身となった今、もはやこれが唯一の攻略法なのかもしれませんね。
またこのトンチキバトルにも一応トラウマだった自分の能力を使ってジェイソンを倒すことで解放されるというドラマのテーマにもカチッとハマっていて、なんかトンチキなのにちゃんとしたお話になってるのがまた面白い。

まぁそんな感じでシリーズ中でもトップクラスに好きな作品でしたが、次作が「NYへ」なのでもうティナは出てこなそうで悲しい......。一緒にNY行くわけでもないよね......?てかジェイソンも殺されすぎて気晴らしに都会に行きたくなっちゃったのかな?なんかいろいろ面白そうなので次も観ます!