工場に勤めながら転売ヤーとしてコツコツ頑張る吉井。ある時工場の仕事を辞め、湖畔の家を買って恋人の秋子と助手の佐野くんと転売ヤー業だけでやっていくことに挑戦する!
黒沢清監督最新作!映画館に観にいきたかったんだけどタイミングを逃して行けずアマプラでの鑑賞になりました。
しっかし、変な映画でしたね......。
前半は真面目にコツコツ転売を頑張る主人公、菅田将暉演じる吉井の日常が描かれていって、なるほど転売ヤーにもこういう大変さがあるのね〜と面白く観られました。いや、死んで欲しいですけど。
そして、前半は「え、こわ」くらいのちょっとした怖さが畳み掛けるように連発されてじわじわと精神を抉ってくる感じ。出てくる人間がまたみんな気持ち悪い奴らばっかりで、主人公が冒頭からもう気持ち悪くて最悪なんですが、古川琴音演じるその彼女の秋子も別に喋ってることを文字起こしすれば普通の人なんだけどなんかめっちゃ気持ち悪いし、荒川良々さんは安定の気持ち悪さだし窪田くんすら(キモさは薄いけど)すごく嫌な感じだったしと、もうなんか完全に一歩引いた視点から気持ち奴らがなんかわちゃわちゃやってるよ〜と他人事のように楽しんでいました。
しかし後半からはそんや転売ヤー吉井に恨みを抱く人物や、それに便乗して憂さ晴らしをしたい人物が2ちゃんねるで集まって吉井狩りを始めるという奇抜な展開になるのに笑いました。
そっから中盤はスリラーっぽい感じ、終盤はがっつりガンアクションという、「な、な、なんでそうなるの〜!???」みたいな展開に笑ってしまいます。しかし笑いつつ、自分自身序盤を観ながら主人公の吉井に対して個人的恨みは何らないのに「こいつ死ねよ」と私刑にしていたことを思い出して、それが狩人たちの暴走に地続きになっていることの恐ろしさを突きつけられて戦慄しました。
そして黒沢清作品のセルフパロディみたいなラストシーンには笑わずにはいられなかった。どこだよあれ......。
結構いろいろと「あいつは何なんだ???」みたいなよく分からなさがありつつそれも含めて不気味で、気持ち悪いし胸糞も悪いけどなんかちょいちょい笑えてもしまう、非常にヘンテコな映画で、でも黒沢清作品の中ではかなり分かりやすくエンタメしてもいて単純に観てて面白かったです。
