偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2024年に観た映画ベスト

おはこんばんちわ!
さて、今年も各種ランキングの季節がやってまいりましたね!
というわけで今回は今年観た映画ベストですが、今年は映画館で新作を観たり旧作の再上映を観たり家で観たりしたので、【映画館で観た新作編】【映画館で観た旧作編】【家で観たやつ編】の3つに分けてそれぞれベスト5を発表しようと思います!!

なんも関係ないけどクリスマスのケーキ貼っときます。




それではまずは【映画館で観た新作編】!


5位『リンダはチキンが食べたい』

ポップでキュートでコミカルだけど切実に父親の死と母親との確執を抱えた少女を描いたフランスのアニメ映画で、輪郭線がなくカラフルな映像美に痺れつつストーリーも良かった!


4位『哀れなる者たち』

ランティモス監督による現代版フランケンシュタイン。終盤は取ってつけたような感じがして好きじゃないけどそれを抜きにしても中盤までのインパクトが凄かったので全体としては大満足。


3位『コット、はじまりの夏』

家にも学校にも居場所のない少女が寡黙だが愛情深い叔父さん叔母さんの家で一夏を過ごすことになるお話。
大きな盛り上がりがなく淡々とミニマルに親戚の家での暮らしを描いていくのに気付けば没入してしまってラストは泣きそうになりました......。


2位『ソウルメイト』

中国/香港の作品をリメイクした韓国映画
小学校の頃に出会ってやがて大人になり別々の道を進むことになるソウルメイトの女性2人の半生を描いたドラマで、ジャケ写見て美女2人がわちゃわちゃする映画だ〜と馬鹿丸出しで観に行ったらエモすぎて泣いた......。いやもうエモさ狙い丸出しで本当はこんなエモエモしい映画を2位になんかしたくないけど結局こういうのが好きやねん......。


1位『枯れ葉』

昨年は『aftersun』がダントツ1位でしたが、今年も2位と(私の中で)大差をつけて圧倒的1位が本作。
カウリスマキが引退宣言を撤回して世に出した新作で、現実世界の戦争を背景にしながらシンプルな愛の物語をもう一度描くというただそれだけの映画。独特の映像美やオフビートなユーモアとストーリーの切実さのギャップが素晴らしく、中盤でMVみたいになるシーンの曲も最高で何度でも観たくなる、実際配信でもう一回観た、そんな大好きな映画でした。





さて、続いては映画館で観た旧作再上映作品のランキングです〜。


5位『美しき仕事』

映画ランキング上位で名前だけは知ってた作品。アレックス三部作のドニ・ラヴァン主演。
正直私にはだいぶ難しかったんですが、映像の美しさだけでずっと観ていられるしラストシーンのインパクトも強くてなんか良いものを観た感じがすごかった(こなみかん)。


4位『男女残酷物語』

変な映画ばっかやることでお馴染み大須シネマさんで観た変な映画。
イタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラーというキャッチフレーズの通りの変な映画。ミソジニー拗らせた美男子が週末のお楽しみとして美女を監禁していたぶる話なんですがキッチュなオシャレさのある映像がクセになるのと音楽もめちゃくちゃ良いのと終盤の思わぬ展開も面白くて大満足。


3位『ピクニックatハンギングロック

寄宿学校の少女たちがピクニックの最中に失踪してしまうお話。失踪の理由などは明確に分からないんですが、暗喩や仄めかし的なものに満ちていて、解釈しようとするのも野暮ながらいろんな解釈の余地もあり、50年前の作品ながら未だに不可解な謎として映画史に君臨する名作。


2位『ストップメイキングセンス』

Talking Headsのライブ映画で、ヘッズは実は音源はそんなにちゃんと聴いてなくてアルバム数枚さらっと聴いた程度なんですがライブの演出がとにかくカッコよくて、デヴィッド・バーンのソロの『アメリカン・ユートピア』同様ライブは好きで、映画館で観たらさらにめっちゃ良かった。


1位『マルホランドドライブ』

デヴィッド・リンチ監督の中でも1番好きな作品で、全てが謎めいていながら不可解なながら謎めいた美しさの映像、意表をつく展開、意外とユーモラスなところが多いのも最高。細部は謎だけど観終わってみれば意外と全体の解釈自体は付くのもちょうど良い感じ。ちょっと分かるけど分かりきらない、良い意味でのストレスのせいで、何度も観てしまいます......。





では最後は家で配信とかで観た旧作の中で好きだったやつベスト10です。
めんどくさくなってきたので記事リンクやめてコメントも短めでいきます......。


10位『キラーデンティスト』

タイトルが分かりづらいけど『デンティスト』の続編で、スラッシャーの『2』ってこういうので良いんだよ!と大きく頷きました。


9位『ピアニストを撃て

全体を見ると悲劇だけど細部を見ると喜劇みたいな不思議な魅力のある映画。


8位『カジノ』

カジノの裏側も知ることができてキャラの濃さと破滅の美学も素敵。

7位『ゴッドファーザー

こちらも破滅の美学的な作品でむしろ今まで観てなかったんかい、くらいの名作ですがやっぱ名作と言われるだけあって圧倒的に面白かったよ。


6位『楢山節考

姥捨山のイメージばかり強かったですが貧しい昔の田舎の村の生活そのものが衝撃的で謎の熱量もすごい。


5位『少女ムシェット

絶望的な物語ながらもピュアな少女の姿に軽やかさも感じる美しく儚い映画。


4位『人魚伝説』

復讐スプラッタ+ロマンポルノみたいな感じで強烈な熱量のある映画。


3位『ナイトメア』

シリアスな雰囲気と映像の美しさと謎めいたストーリー......私の好きなスプラッタ映画の要素を全て満たした完璧な作品で、久しぶりにスプラッタホラーやっぱ好きだ!!!と思わせてくれました。


2位『下女』

キム・ギヨンにハマった一年だったけど中でもやはり代表作のコレが強烈。物語自体の異様さが謎のコミカル要素によってより異様に感じられ、あっけらかんとした結末も不可解。最高。


1位『天井桟敷の人々』

映像の美しさだけで泣きそうになった。これが映画だ!!!と思った。
これだけの大作が第二次大戦中に作られたということも凄すぎる......。





というわけで今年観た映画ランキングでした〜。
来年はアマプラにも入って古い作品をいっぱい観たいな〜というつもり。その分映画館ではあんま観なくなるかも.....。でも既に来年公開の気になる映画もいっぱいや〜。