偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2024年に読んだ小説ベスト10とか!

おはこんばんちわ!
さて、今年もいよいよ年末のランキングの季節がやってきましたね!
というわけでまず今回は今年読んだ小説ベスト10+小説以外で良かったの3選でお届けしたいと思います。
今年読んだ本はだいたい80冊くらい。それに加えて今年は漫画も結構読んだし(年始の段階では漫画読む年にする!とか言ってた割にはそんなにだったけど)映画も観れたのでだいぶ充実してたんじゃないでしょうか。まぁ仕事も今年は割とサボれたので、仕事ある日でも帰って本読んだり映画見たりできたのが良かったっすね。

まぁそんな感じでそれでは小説ベスト10から発表していきます!




10位『なめらかな世界と、その敵』伴名練

SFにはうっすら苦手意識がありますが、これは分かりやすくかついかにもSFっぽい仕掛けも盛りだくさんでめっちゃ面白かった。


9位『文鳥/夢十夜夏目漱石

夢十夜は再読、それ以外は初読でしたが、やはり夢十夜が素晴らしかった。文章表現がうますぎてびびります。


8位『庭』小山田浩子

いつも通り安定の、なんか良い小山田短編集。この唯一無二の世界からはしばらく抜けられそうにありません。新作も読みたい。


7位『この村にとどまる』マルコ・パルツァーノ

ダム湖に沈んだ実在の村を舞台に、言葉、人、そして土地すらも奪われた村の悲しみや怒りを淡々と描写した作品。


6位『恍惚のフラミンゴ』フィリップ・リドリー

大好きな映画『柔らかい殻』の監督による短編小説集。
映画同様、現実離れしているのに生々しく、気持ち悪いけど美しくノスタルジックでもある独特の世界が楽しめました。


5位『みすてりい』城昌幸


怪奇探偵小説的な感じかと思いきや、著者は詩人でもあるそうで、詩的なノスタルジーを孕んだ今まで読んだことない雰囲気を持つ掌編たちが印象的でした。


4位『くるまの娘』宇佐見りん

『かか』『推し、燃ゆ』と読んできましたが、最新作の本作が一際凄まじかったです。


3位『水たまりで息をする』高瀬隼子

今の自分の境遇や自分の昔からの性質に主人公が遠からずなところがあってめちゃくちゃ共感しました......。


2位『火車宮部みゆき

大昔に短編集を読んだくらいだったんですが、あまりの面白沙に震えたし、だからあんなに人気あるんだとめちゃくちゃ納得しました。


1位『雪沼とその周辺』堀江敏幸

田舎町に暮らす平凡な人々の人生のちょっとした哀歓を描いた短編集で、短い中でひとつひとつの人生を追体験するような濃密さがあり、しかし読み心地は非常に淡々として上品。この良さは私の語彙では伝えられないので、未読の方はとにかく読んで欲しい一冊です。



という感じで小説ベスト10でした。
あと、小説じゃないので入れなかったけど今年読んで良かったやつ3選です。↓


『奇貨』沙東すず

東山公園にある本屋ON READINGさんで買ったZINE。3年半付き合った彼氏に捨てられた経緯を綴っただけの作中の言葉で言えば「ありふれた話」なんですが、自身の感情をとことんまで見つめて分析して文字に起こす著者の心の解像度が凄くて、不謹慎かもしれませんがめちゃくちゃ面白かった。


『死のやわらかい』鳥さんの瞼

変なペンネームの新鋭歌人によるデビュー歌集。
死や生活や食や政治や女として生きることといった(私は男ですが)多くは私たち誰もに身近なテーマを(ある種Twitter的な)分かりやすさで切り取りながら、テーマへの眼差しや描き方が非凡でどこからそんな言い回しを思いつくのかと同じツイッタラーとして嫉妬してしまう素晴らしい歌集でした。


『小さい午餐』小山田浩子

最近一番好きと言っても過言ではない作家の小山田浩子による食エッセイ集。
彼女の小説に近い読み味ながらエッセイならではの親しみや砕けた部分もあり、小説が異様なせいで「どんな奴なんだ」と思ってた著者の素に触れられるファンには最高のエッセイ集でした。




という感じで、2024年読んだ良かった本たちでした!
それではまたいつか!ばいちゃ!