偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

岡田淳『ふしぎな木の実の料理法』感想

私は読んだことないんですが妻が子供の頃に読んだ思い出の本らしく懐かしくなったと言って図書館で借りてきたのでついでに読ませて貰いました。


内気な少年スキッパーの元に届いたのは、保護者で今は調査の旅に出ている博物学書のバーバさんからの手紙、そして見たことのない「ポアポア」という名前の木の実。でもバーバさんからの手紙は肝心の木の実の料理法の部分が濡れて読めなくなってしまっていた。スキッパーは渋々ながら森のほかの住人たちを訪ねて木の実の食べ方に心当たりがないか聞いていくが......。


たぶん小学校低学年から中学年くらいが対象年齢だと思いますが、絵もお話もとても可愛くて大人が読んでも楽しいというか、久しぶりにワクワクしながら学校の図書室の本とかを読み漁って純粋に読書を楽しんでた子供時代の感覚を思い出して、初読ながら懐かしい気持ちになりました。

主人公が色んな人の家を訪ねて行ってその先々でお茶を出されたり会話をしたりして結局木の実の料理法は分からなくて......ってパターンを繰り返していくという絵本や児童書の王道の展開に安心感がありつつ、途中ちょっと捻ってスリリングになったりもして、派手な冒険とかバトルとかはないけど面白かったです。
絵もかわいいんですけど、ゆるい感じの可愛さだなぁと思ってたら登場人物たちの家の図だけめちゃ細かく描き込まれていて、ウニの形だったり、巻貝型で中は全て螺旋階段で踊り場部分が部屋として使われていたりと現実にはなかなかないような形の家がリアルなディテールを使って描かれてるのにはワクワクせざるを得ません。大人だからよかったものの、これを子供の頃に読んでたら絶対ハマって出てくる家の絵を全部真似して描いたりしてただろうな。子供の頃読みたかった......。

お話としても非常にシンプルに内気なスキッパー君が人との関わりを持つようになっていく姿が描かれていて、今仕事辞めて家に1人でいて寂しいから色んな人誘って遊びまくってる自分の現状と微妙にマッチしててちょっと共感しました。私も人嫌いだけど寂しがり屋だからな。
てか他のキャラもみんな変な人ばっかなんだけど平和に楽しく暮らしているこそあどの森の日常が良すぎて、現実世界の醜さとの落差にびっくりしてしまう。こうありたいよ......。
私はやっぱ双子の女の子が好きだなぁ。あの巻き貝の家も好きだし。