偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

『C.M.B 森羅博物館の事件目録』全巻読破計画④31〜40巻

めちゃくちゃ久しぶりに動かしました全巻読破計画‼️
前回Q.E.D.iffの記事を載せてからまる1年、C.M.B.に限ればなんと4年ぶりで、森羅先生ご無沙汰しております‼️といった感じ。
しかしどちらも年末に更新してて、やっぱ毎年年末は繁忙期のため小説とか読めずに漫画読んでんだなと再確認しました。いや忙しいっすわ......。


まぁそんな感じでいつも通りやっていきます!



31巻


op.98「地獄穴」★★★3
とある田舎の村で土砂崩れの後に現れた"地獄穴"。やがて村では地獄穴に人が消えていっているという噂が立ち......。

村の民宿の息子視点なところが良い。
地獄穴に人が消えているらしいという曖昧な謎が、たった一つの事実によって解かれるシンプルさも好きです。



op.99「ゴーストカー」★★★3
半年前に事故死した画家の車が一本道の途中で消えた。野外実習に来ていた森羅たちが発見したその車は、ドアを挟む形で木の間に突っ込まれ、窓も割れていない密室状態だったが運転手は消えていて......。

まず謎が魅力的すぎます。一本道の途中で消えた車、木に挟まれた車内から消えた運転手......。
そんな謎に対して、トリックはシンプルに、事件の構図の面白さで見せるあたりもこれはこれでとても面白かったです。まぁもうちょっと奇想の密室トリックを期待しちゃったところはありますが......。



op.100「動き回る死体」★★2
住人4人の小さなアパートで1人が殺された。死体は他の3人の間でたらい回しにされ、

そもそも設定の時点で「犯人だと思われたくないから死体を他の住人の部屋に押し付ける」というのに「そんなことせんやろ......」と思っちゃいました。
トリックはシンプルながら意外なもので良かったんですが、結局この容疑者3人の争いがしょーもなくて犯人が誰でもどうでもよく感じてしまうんですよね。
と思ったら「あなたを殺します」企画でキャラ全員読者だったのに笑う。そして何より宮内悠介が普通に応募しててちょい役で出演しているのに笑いました。



op.101「第27回探偵推理会議」★★2
森羅を含む何人かの元へ送られてきた招待状。それは、かつて実際に起きた奇術師の変死事件の謎を解ければ賞金を出すというゲームへの招待で......。

こちらも引き続き読者登場回で、たくさんの読者を出演させるためか、めっちゃキャラの人数が多いのに笑いました。
内容としては、色々盛り込まれてはいるものの、事件のトリック自体はあまりに小粒だし、もう一つの仕掛けの方も読んでたらすぐに想像がついてしまうもので、推理の根拠もかなり薄弱に感じてしまって、そんなことで犯人扱いされてもなぁ......という感じだし、犯人さんもそんなことで諦めないでちゃんとシラを切って欲しい......。




32巻


op.102「灯火」★★2
イランで出土した人骨を自国に持ち帰る約束を取り付けていたイギリスの考古学者だったが、イラン側が持ち出しを渋りも揉め事になる。その後、学者が帰るのと時を同じくして出土品が金庫から紛失し......。

文化財を巡る国を跨いだ揉め事や考古学がどうあるべきかといったテーマの部分は面白いし、前巻は別にQ.E.Dでも良さそうな国内の事件ばかりだったので久々の海外ロケなのも楽しい。
......んですが、トリックはあまりにしょーもなく、「いやいやそんなことは最初から分かっててくれ......」と思ってしまいました。



op.103「混信」★★★3
クリスマスにトランシーバーを貰った少年が弟と遊んでいると、混信によって大人の声が入ってくる。やがて声の主とトランシーバー越しの会話だけで親しくなる少年だったが、声の主は犯罪組織のメンバーで、少年と会話していることがボスにバレてしまい......。

少年を主役にトランシーバー越しの出会いとサスペンスを描いたストーリーが魅力的。
通信相手の居場所探しにはそう面白味はないものの、一件落着した後の展開が色々と意外で、そういう終わり方することあるんだ......となかなかのインパクトがありました。



op.104「邪視除け」★1
とある洋品店の店長が密室状況で殺された。遺体からは彼がいつも身に付けていた邪視除けのネックレスが持ち去られていて......。

さすがに無理やろ......というトリック、魅力の薄いキャラや事件の謎、ベタすぎる犯人特定の決め手と、特に良いところを見いだせない、手癖でささっと書けちゃいそうな話。



op.105「魔道の書」★★★3
翡翠の像を手掛かりに高く売れる魔導書を探すマウだったが......。

久々にこのシリーズを読んでるのでマウちゃんとも久々の再会でアガります。画力が上がってきてるせいで余計に可愛い。
魔導書探しという設定にはワクワクするし、活劇要素もあって本屋さんのキャラも魅力的と、前話がいまいちだっただけに全てが面白く感じられてしまいました。




33巻


op.106「動く岩」★★★3
山奥の旅館に集まったゲーム好きの仲間たちは、呪われた〜"動く岩"に遭遇してしまう、翌朝、旅館の女将が変死を遂げ......。

動く岩という伝承自体がまずは奇妙で面白いですね。事件はそれを見た主人公たちではなく女将さんが亡くなるので肩透かしではありますが、解決にはちゃんと伝承が意味を持って組み込まれています。
そして、解決後の虚しい後味の残る結末も好きです。



op.107「いつかの文学全集」★★★3
夫を亡くしてハワイに一人旅に来た初老の女性は、ホテルの向かいのコテージの窓から男が妻を殺すのを目撃する。しかし、駆けつけた警察が部屋を調べても死体は見つからず......。

事件とトリックはめちゃくちゃシンプルすぎてあまり見どころはないんですが、それより何より主役のおばちゃんの物語としてめっっちゃ良い。夫を亡くした彼女と、妻を殺してしまった若い男という2組の夫婦が対比というほどじゃないけど比べられて描かれているのも良い。
ミステリとしては★★2、ストーリーとしては★★★★4で間を取って3みたいな感じ。



op.108「ツノゼミ」★★2
とあるコンサル会社で金庫の金が盗まれた。唯一その部屋に入った男が容疑者とされるが......。

冒頭の胡散臭い男の語りから入るところは良かったんですが、てっきり彼が森羅と対決するみたいな感じかと思ったら全然そうでもなく、ただのアホで肩透かし。トリックは「それが通用するならなんでもありやん」みたいなもの。ただ、終わりかたは良かった。




op.109「見えない射手」★★★3
舞台劇の最中、セリフを喋り終えた団長が舞台上で矢で射られて殺された。しかし舞台の背後は壁になっていて観客の誰も反抗の場面を目撃しておらず......。

衆人環視の上、後ろには何もない舞台上で後ろから射殺されるという不可能状況が魅力的です。そしてそのトリックも映像的なもので、小説だと説明が煩雑になりそうだけど漫画なら絵で見てすぐに理解できるものなのが好きです。




34巻


op.110「消滅飛行」★★★3
戦前に墜落した戦闘機が隠されているとされる寺の裏の洞窟。しかし航空ライターの青年が探しても穴の中に飛行機らしきものはなく......。

第一次大戦後の航空機開発ラッシュの頃に作られた戦闘機が主役のお話で、トリックどうこうというよりはその戦闘機に何が起きたのか?というストーリーの部分が魅力的なお話。
とはいえ、とある物理的なトリックもそこそこ面白いし、これまた絵で映える解決編なのが良いです。



op.111「マリアナの幻想」★★★★4
1946年、エクアドルのアマゾンで恋人のマリアナと暮らす日本人青年は敗戦のニュースを信じず日本は戦争に勝ったと思い続けていた。それから70年、老人になった彼は「エクアドルに魔女に会いに行く」と書き置きを残し失踪。彼の孫と依頼を受けた森羅たちもエクアドルへ向かうが......。

CMBとしては久しぶりの2話跨ぎの長い作品。
ミステリとしては主に「魔女の宝」と祖父の行方を探す宝探しモノで、その在処はわりと観念的なもので正直納得感は薄めでした。
ただ、そんなことは置いといてお話としてめっちゃ良かったです。安直だし不謹慎かもしれんけど戦争に絡めたラブストーリーってのはやっぱエモい。残酷さも優しさも混ぜ合わせた結末によって、70年という時の流れに思いを馳せざるを得ず、その長さと短さにため息が出ます。
あとこのシリーズでおっぱいポロリがあるとは想像してなかったんですが、それによって冒頭から物語の生々しさに引き込まれてしまうので、ここであえて禁じ手を使っているのも凄かった。



op.112「古屋」★★★3
脱サラして田舎の村でタダで借りられた空き家をリノベしてパン屋を開こうとする若いカップル。しかし、家を改修しようとすると謎のお面の男の妨害を受け、村の人たちも含みがあるような態度で......。

脱サラして田舎に移住したら村に馴染めなかった人の話......と思わせて、思わぬところからの謎解きが面白い。まぁミステリというよりご近所トラブル相談所みたいな感じにはなっちゃうんだけど、森羅くんがそんな分野にまで詳しいのに笑いました。




35巻


op.113「ドミトリー」★★2
タイのプーケットにある多国籍の旅行者が滞在するドミトリー。そこで麻薬所持の立入調査があり、麻薬が入った仏像を持っていた日本人青年が逮捕される。しかし彼は冤罪を主張し......。

最近ではもはや珍しくなった文化人類学的な知識をちゃんと使ったお話でそこは良かったんですが、とはいえ真相があまりに簡単すぎて読んでてほとんど全て分かってしまうので物足りなさは強いです......。



op.114「クリスマスのマウ」★★★3
大量の美術品を買い付けたマウは、保険と銀行の貸金庫とをそれぞれ相場の半額で抑え、マフィアのボスに仕入れた商品をコンテナ1台分どさっと売り付けようという無茶を企て......。

森羅がカメオ出演程度にしか出て来ないマウちゃん主役回で、森羅頼みではなくちゃんと(?)仕事してるとこも見れて嬉しい。彼女がしているのは仕事というより部下へのパワハラな気もしますが......。
そしてマウがなぜここまで強気すぎる交渉に踏み切ったのか?ということ自体が謎で、それがとある一つの言葉で説明できるシンプルさは好きです。



op.115「ドングリとマツボックリ」★★★3
新人の山岳警備隊の青年は、先輩たちの留守の間に父親が崖から落ちて動けないという少年からの電話を受ける。近くに大きな滝があるという少年の言葉から、付近で唯一の大きな滝へ向かうが親子の姿は見当たらず......。

山岳警備隊の青年が仕事のつらさに虚しくなりながらもやりがいを見つけていくお仕事ものとしてとても良かった。終盤はグッとくる場面が多すぎる。
そして謎解きの面では文化財(?)とかは出て来ないものの山の植物とかの知識を活かした森羅向きの内容になっていて面白かったです。ここんとこ別にQEDでも良さそうな話も多かったので......。



op.116「アリバイ」★★2
ブラック企業で残業や出張に追われる男がある日警察に事情聴取されアリバイを問い質される。当該の時間、彼しかいないはずの会社のビルで殺人が起きたという。必死に記憶を辿り、女子高生と少年にマフラーを拾ってもらったことを思い出すが......。

シンプルなタイトルながら別にアリバイものじゃないのに笑います。むしろミステリとしては密室ものに近いと思います。
主人公のアリバイ探しをしてたと思ったらいきなり解決に入る変な構成は面白かったんですが、別に主人公が犯人じゃないことは分かりきっているので彼のアリバイ探しがミステリとしては何の意味もないというのは流石に物足りないところ。
ただ理不尽に耐える会社員としては彼にめちゃくちゃ共感もしてしまったのでお話としては好きです。




36巻


op.117「山の医師」★★★3
仏教が信仰されるインドの山岳地帯で医師を志す青年。西洋医学の勉強の資金として亡くなった師匠が残した高価な薬箱を探すが、師匠は他人に盗まれないために薬箱をどこかに隠していて......。

宝探しの謎は難しすぎてこんなん弟子に残すなー!と思っちゃうし、読者からするとよく分からないままに謎が解かれていくみたいな感じであんまりピンと来てはいないんですが、そんでもみんなで力を合わせて少しずつ真相に迫っていく過程は見てて面白かったです。また僻地の医師の物語としてグッとくるところも多くてよかったです。



op.118「ルバイヤートの物語」★★★3
11世紀イランの偉大な学者/詩人が残した四行詩集(ルバイヤート)を巡って密室殺人が起こり......。

2話跨ぎの(C.M.B.にしては)長編。
長いだけあって2つの殺人に11世紀の詩人の物語とてんこ盛りなので読み応えがあります。
ただ、個々の事件のトリックはシンプルすぎて面白みは薄く、特に一つ目の事件はそんなしょーもないことありかよと思ってはしまいます。
また詩人のパートもそれ自体は面白いんだけど、結局現在の事件との繋がりはあんまりないのがやや物足りないところ。



op.119「かすみ荘事件」★★★3
新人刑事の七夕菊乃は、とあるアパートの前でアパートの管理人の息子だという男に会う。彼は父が失踪して部屋には血痕や中身が空になった金庫だけが残されていたと言い......。

キックこと七夕菊乃ゲスト回。
オチはなんとなく分かっちゃうくらいシンプルなものながら、「そこまでやるか!」というとある人物の頑張り(?)が面白かった。(ネタバレ→)父親の腕をわざわざ掘り返すとは!。
あと虫が決め手になるところの地味なCMB感が好き。




37巻


op.120「クロスロード」★★★3
立樹たちの学校の美術室で、床に呪術的な落書きがされたり、何故か油の臭いがするという怪事が起こる。一方、自分の絵に自信の持てない美術部員の道端少年がある時突然絵の腕前を上げ、部員たちは悪魔と契約したんだと噂して......。

美術部が舞台の話で、私も中学までは美術部とか絵の教室とかで絵を描いてたんですが、高校の美術部だと油絵なのが難しそうだけど楽しそうでいいなーと思った。
物理トリックも面白いけど、それよりホワイダニットの部分に意外性とかじゃないけど心理描写の伏線が生きていて「ああ!」と納得させられるのがよかった。
あと、道端くんの絵が急に上手くなった秘密が素晴らしい。
私も中学の時に同じようなことが一回だけあったんですが、その時の絵がなんかのコンクールに入賞してしまい持っていかれちゃって手元にないので本当に上手かったのかももう分からない......。



op.121「シュロのコイン」★★★★4
戦争で侵略された小さな町で、負傷した神父は一人の男にコインととある言葉を残して死んだ。時を経て、マウは森羅にこのコインの秘密を探らないかと持ちかけるが......。

戦火の中でのとある一言ずつの会話が細切れに挿入されつつ、本編はマウが登場して軽めのノリで進んでいきます。しかし森羅による解決......というよりは読解の場面から一気にシリアストーンになるところが良く、彼の口から語られる話はあまりにやるせない。
ミステリとしての見どころは少ないですが、それでもコイン強奪犯の正体などはしっかり伏線もあって上手いし、お話として重い余韻を残す印象深い一編でした。



op.122「鉱区A-11」★★★★4
2075年、とある小惑星で男が射殺されたが、星には男の他にはロボットしかいなかっま。ロボットたちは「ロボット三原則」により男を殺せないし男が自殺しようとしても阻止するはずだが......。

ここにきてまさかのパラレルワールドもの(?)でびびりました。
宇宙を舞台にしたSFミステリで、たぶんこのネタを思いついちゃってどうしてもやりたかったんだろうな、ってのが伝わってきて微笑ましいです笑。
人を殺せないはずのロボットしかいない惑星で人が殺されるというパラドキシカルな謎がまず魅力的。そして2001年宇宙の旅へのオマージュであろう「なんか怪しい人工知能」との対話も面白い。
そして、パラドックスを解消するシンプルにして意外なトリックも素晴らしい。こういうトリックが読みたくてミステリ読んでるんだよ!という感じです。
まぁロボットの能力レベルをどの程度に置くかというところが恣意的に感じなくもないですが、この短さだし多少のご都合感はご愛嬌ということで......。



op.123「猫のシッポ」★★★3
全国のどこにでもあるようなとある町には、かつてとある画家が残した「黄金の宝は猫の尻尾の先にある」という言葉が伝わっていた。小学生の少年はシングルマザーの母親のためにその宝を探そうと決意するが......。

他の話でも言った気もしますが、子供が主人公なだけで良いよな。
どこにでもある町のお宝探しというジュブナイルっぽい発端もワクワクするし、子どもが町を冒険する話好きなんですよね。
昔の地図とか崖の上の神社みたいなガジェットにもワクワクします。
ミステリ的な面白味は薄いものの、黄金の宝の正体もめっちゃ素敵でした。住みたい町ランキング1位だ。




38巻


op.124「目撃証言」★★★3
口論の果てに恋人を切りつけたとして有罪になり服役していた男。しかし彼は恋人の自作自演で自分はやっていないと主張し続けていた。出所した彼の前に、恋人の自作自演を見ていた目撃者を知っているという男が現れ......。


事件の目撃者探しという設定と漁村のロケーションが良い。
あまりにもバレバレな部分もあるものの、真実とは何かを問いかけながら嫌な余韻を残して終わるところはかなり好きです。



op.125「光の巨人」★★★★4
13世紀、アイスランドの詩人で政治家のスノッリは周りが敵だらけの中を飄々と切り抜けながら生きていた。
そして現在、中学生の少年のもとに世界を旅する研究者の父親から暗号が送られてくる。それはキリストの聖杯を探しているという父親の居場所を指し示すもので......。

3話跨ぎの大長編で、ミステリ要素は薄いけどスペクタクル冒険ロマン的にめちゃくちゃ面白かった。
中世の話と現在が交錯する点では直近の「ルバイヤートの物語」にも似ていますが、こちらはスノッリというキャラクターが強烈な魅力を放っていたのが良かった。
金と女が好きな俗物のおっさんでありながら美しい詩を作り北欧神話をまとめた『エッダ』を著す二面性がかっこいい。

一方現代パートはというとこちらもいつにも増して命の危険しかない大冒険活劇を繰り広げていて、森羅先生なんであんな知識あって体力まであんねんとビビります。
ミステリ的な謎解き要素こそ薄いものの、敵の正体とかも意外だし、アレとコレとソレを一つの物語として繋げてしまう壮大な発想が面白い。しかし父と息子の物語というめちゃくちゃミクロな人間ドラマにもなってて、お話としてとても面白かったし、なんか『QED』初期とかのトリック重視な作劇と比べると隔世の感がありました。
美しすぎるラストも素敵だった。スノッリというキャラの魅力(と助手もいいキャラしてるね)あってこその感慨深い結末でしたね。




39巻


op.126「想像の殺人」★★2
人生に迷った男は、昔の恋人と偶然再開したことをきっかけに、暴力的な彼女の夫を殺してヨリを戻そうと企てるが......。

どことなく前巻の「目撃証言」と似たものを感じてしまうし、倒叙モノなんだけど犯人特定の決め手があまりにしょーもなくていまいちでした。



op.127「パレオパラドキシア」★★★3
勉強することに意味を見出せないでいる少年は、パレオパラドキシアという哺乳類の化石を探す叔父の家に預けられ......。

化石の頭部の在処という謎の答えは特に面白味もないものですが、少年が主人公なだけで良いし、勉強をする意味というか、学ぶとは何か?みたいなテーマは良かった。
しかし燈馬くんならまだしもこんな小学生みたいな森羅にそれを諭されてちゃんと聞く耳持ってる主人公が偉い。



op.128「ミグラスの冒険」★★★3
密室での殺人現場に残されていた『ミグラスの冒険』という本を手に入れたマウだったが、その本が何者かに盗まれて......。

最近多い気がするマウちゃん主役回。もはや森羅出てこなかった気がするけど気のせいだっけ?
作中作(?)の変な本の内容ががっつり描かれつつ、それにまつわる密室殺人も起こるという変な構成のお話で、その変さだけでもおもろい。
マウ様は主役の回だけやたらと推理力が上がるのもおもろい。



op.129「空き地の幽霊」★★★3
立樹のクラスメイトの少女が夜に空き地の十字路のポストに手紙を投函しに行くと、さっきまで誰もいなかった場所に忽然と人影が現れて......。

幽霊の正体はまさに枯れ尾花みたいな感じですが、普通に良い話でほっこりした。
こういうストレートな人情モノもいいっすね。幽霊という発端からの落差も好き。




40巻


op.130「奇跡の神殿」★★★3
カンボジアのとある小さな村のシヴァの神殿で、ダニに噛まれて高熱を出した少年が一晩で完治した。この奇跡の噂を聞きつけてヨーロッパの製薬会社が神殿の調査に来るが......。

奇跡の秘密自体はどうってことないものながら、奇跡とは何か?みたいなところの洞察が面白かった。そして意外とアクション要素も強めで楽しかったです。
あとなんといってもオチ(終わり方)がいい。



op.131「五月蝿い殺し屋」★★★3
殺しに成功したことのない殺し屋は密輸業者のボスの殺害を依頼される。二重の鍵や防弾ガラスに阻まれた難攻不落の密室に体当たりで挑むが、彼が花火を持って襲撃をしている間にターゲットは密室の中で何者かに刺されて倒れていて......。

人を殺せない殺し屋という主人公のキャラが面白く、使えないとわかってて脅しとして雇う側もおもろい。
トリックは意外と凝ったもので、「そんな上手くいくか?」とは思ってもコミカルなトーンであることでなんとなく納得させられちゃうところが好きです。



op.132「イパネマの娘」★★★3
父親の仕事の用事でブラジルを訪れた青年は、強盗に遭ったところを現地の若い娘に助けられ......。

金持ちのボンが治安の悪い街に飛ばされてそこで逞しく生きる美しい女性に出会うというのがめっちゃ好きなやつでした。
さすがに主人公がアホすぎる部分もあるけど、痛快な結末で良いですね。
森羅の優しいのか残酷なのか分からない謎解きの仕方も面白い。



op.133「ボトルシップ」★★2
大富豪が自宅で殺された。毎週金曜に投資を求める人間たちを家に呼んで話を聞くことを趣味としていた彼が死亡推定時刻に呼んでいたのは3人のプライベートバンカー。しかし現場は奇妙な状況になっていて。

犯人特定の決め手があまりにも弱く、「こういうトリックがあり得るからこいつが犯人」みたいな感じなのであんまり納得できなかった。トリック自体はシンプルに盲点を突いていてまずまず面白かったんですが......。あと被害者のキャラクターもけっこう好きだったんですが......。