私も30歳になって最近胃もたれが気になるので読んでみました。
著者は49歳のフリーライターで、食に関する記事を専門にしていて著作もいくつかある方。本書はそんな著者が40代後半になって昔より脂ものや食べ過ぎがキツくなってきた......ということをきっかけに書かれたエッセイです。
食に関わる仕事をしながら、食欲や消化力が落ちるというのは“おまんまの食い上げ”にも繋がりかねない一大事である。だが、くよくよしてもしょうがない。しっかりと現実を受け止めて、どう食べて過ごしていくのがベターなのか、より快適なのかを、考えていきたい
基本的には食事に関して著者が気をつけるようになったことが書かれていきます。例えば食事の前に野菜やもずくなどを食べるベジファーストや、3食を食べるタイミング、苦になりづらい食事量の減らし方etc......。
しかしそういう具体的なこともたいへん参考になりつつ、著者の歳を取ることへの考え方が、人生のピークを過ぎてこれからは下り坂でしかない私にはガーンと響きましたね、はい。
最初にも書きましたが私も最近は胃もたれが気になって焼肉行っても前みたいにテンション上がらないし、ケーキはテンション上がるしめちゃ食べちゃうけどその後しょっぱいものがほしくなるし、肩も腰ももうバキバキだしと、加齢の恐ろしさを初めて体感しておりまして。著者から見ればこんな私もまだピチピチギャルではあると思いますが、そんでも年齢を重ねることへの心構えの一例を今のタイミングで読めたのは良かったなと思います。歳をとって若い頃のようにできないことが増えて悲しみ寂しみを感じることも認めつつ、代わりに新しく好きになるものも増えたり......副題通り「更年期」ではなく「更新期」という考え方に気が楽になりました。
また、そうやって年齢を重ねる中で加齢に無理に抗わずに共生していく生き方は、男性のセルフケアや多様性の尊重にも繋がっていくのが心地よく、「こんなふうに生きていけたなら」と思います。最終章の章題でもある「執着と無頓着」という言葉を心に刻みたい!
あと、出てくる著者が作る料理とかがめちゃくちゃ美味しそうで食べたくなってしまいつらかった......。そうめん大好きなのでそうめんアレンジの回とか色々試したくなったし、味噌汁に色んなもの入れる冒険心も忘れないようにしたい......。読むと料理がしたくなる本でもあります(とはいえ妻の方が上手だから任せた方が安心だし、スイッチが入らんとなかなかやれないんですけどね)。
