ミレーの『落穂拾い』と、パリの市場で食べ物を拾う人々から着想を得た、アニエス・ヴァルダ監督によるものを拾う人々を映したドキュメンタリー。
食うために残飯や廃棄された農作物を拾う人、倫理的な信念から働きながら捨てられた食べ物を拾って食べる人、捨てられたモノで塔を建てる人......人々の様々な生き方を描きつつ、老いゆく監督自身の自画像にもなっています。
「ものを拾う人」というテーマ自体が抽象的で、はっきりとした全体の構成みたいなのは薄くてその場その場で思考や興味の赴くままに撮った映像を連ねているような感じがたらっと観られて心地良いです。街や市場でゴミを拾う人たちの映像とかも決して美しいものではないはずなのに綺麗に感じられるのがすごい。フードロスの問題など、かなり社会的なメッセージ性も強くなりそうな作品なんだけどそういう感じも薄くて監督の日記を読んでいるような親密さがあるのも面白かった。
あんままとまった感想が書けないけど色々良かった場面がいっぱいありました。↓
人形の塔を作ってるおじいちゃんにその妻が「ただの素人ですよ。好きにさせてますよ」みたいな放任主義なところに愛を感じてめちゃ和んだ。人形の塔カッコ良すぎる。
犬とか猫とかがいっぱい出てくるのも可愛い。犬苦手だからこんなふうにそこいらに犬がいる社会は怖いけど......映画で見る分には素敵。
ハート型のジャガイモを持って帰ったり急にラップしたりレンズの蓋を延々撮ってるヴァルダさんの愛嬌がこの映画の最大の魅力だと思う。
最後の針のない時計がまたたまたま拾ったものでありながら作品のまとめとして上手く機能しててすごかった。
