偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

アナと雪の女王2(2019)


アレンデールの女王になり、アナやクリストフ、オラフらと平和な日々を送っていたエルサ。しかし、ある日不思議な歌声を聴き、その声に導かれるように両親の死や自身の魔法の力の秘密に迫る冒険の旅に出ることになり......。



社会現象的に大ヒットして私もそれなりに楽しく観ました『アナ雪』の続編ということで期待と不安を抱きつつ観ましたが、なかなか面白かったです。

前作では制御しきれない力に苦しんでいたエルサが、本作では王として立派にやってるとこからスタート。しかし、自身の力の秘密やルーツを知る手掛かりが目の前にあり、再びアナを置いて1人で危険に身を投じようとしてしまい、なんやかんやでクリストフ、トナカイ、雪だるまを交えた5人(?)で再び冒険へと繰り出します。
ルーツを探ったり姉妹の関係性が再考されるあたりはパート2に望むことをしっかりやっていて好印象でしたが、四つのエレメントの精霊がとか戦争がとか色々な要素が詰め込まれすぎていて若干ストーリーに分かりづらさというかノリきれなさを感じてしまいました。
ただ、ディズニー映画のお約束に挑戦した前作から時を経て再びかなり攻めた結末になっているところもこの作品に求めるところであり、前作のラストでわずかに「それでええんかい」と思った身としてもコレで本当に良かったんだよね......という気分になりました。個人的にはこれでもう3は要らないかなっていう納得のラスト。

あと、映像、歌、キャラクターはさすがのさすがにとても良かった。
今回は氷に加えて火や水の描写も多く、特に水のアニメ表現は圧巻。また、終盤のクライマックス的なエルサのアクションシーンでの歌と動きのシンクロも素晴らしくてヘドバンしてしまった。
そしてアナとエルサの姉妹のあれこれはもちろんですが、今作はプロポーズ野郎(クリストフ)がひたすらにプロポーズに失敗し続けるところがコミカルながらも切なく愛おしくて彼のことを好きになっちゃいました。というかプロポーズ野郎のソロ歌唱シーンだけ80〜90年代の今からするとダサいJ POPのMVみたいなのに笑った。
しかし今作のMVPはアホ雪だるま(オラフ)でしょう。なんかオラフ今回は前よりちょっと賢くなってるんですが、なまじ知恵を付けたことでむしろアホさが際立っていてやはり可愛げのある野郎だよ。天然でラリってるようなキャラだから声優も普通にピエール瀧で良かったんじゃないか感があります。

まぁそんな感じで、さすがに前作のがストーリーは整ってはいるものの、2作目に期待するものは大体味わえて大満足、むしろオラフ推しとしてはオラフの大活躍は前作以上で楽しめた気もする良い「2」でした。
あと邦題にダサいサブタイトルとか付かなかったのも好感度高いです。