偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

ホット・ファズ(2007)

エドガーライトサイモンペグニックフロストアイスクリーム三部作の第2弾。

今回は警官バディものでミステリ!
んでもって田舎ホラーや西部劇の要素もぶち込まれてます。
前作が音楽の使い方とかに凝っててスタイリッシュだったのに対して今回は映画オタク趣味が全開な感じ。娯楽映画の楽しい要素だけを抽出して詰め込んだ全ての娯楽映画の総集編みたいな超絶娯楽映画に仕上がってます!!!

サイモンペッグ演じる主人公のニコラスが仕事が出過ぎて上から疎まれて田舎に左遷される刑事の役。前作とは打って変わってのキリッとして生真面目なキャラのギャップが面白いです。一方ニックフロストのダメ警官の方は前作よりはややマシなものの同じ系統のアホ路線で安定感あります。

田舎ミステリとしてもかなりいい感じで、過剰なまでに怪しげな村人たちに、殺し方のグロさ、意外としっかりした伏線回収に、コメディ映画ならではのぶっ飛んだ事件の構図と、ミステリ部分だけ観ても面白かったです。

が、そこからのアツすぎる展開にもうミステリとかどうでもよくなっちゃいます。
アクション映画で観たことある場面だけで作った痛快にして爽快すぎるクライマックス。『わらの犬』のタイトルが作中で出てくるように我慢し続けていた主人公がブチギレることによる爽快感なんだけど、爽快さが純度100%で悪役たちへのムカつきとか惨劇への恐怖とかがないのがコメディとして500000000点満点なんですよね。
「アクション映画で観たことある場面」と一括りにしましたが、そこには西部劇からガンアクションからカーチェイスから大爆破まで豊かなバリエーションがあんのも最高っす。

『ショーン』はどうしてもゾンビ映画なので仲間が死んだりとかもあるし失恋の描写も強めでやや湿っぽい部分もあったんですけど、本作はただただ楽しい、でもちゃんとバディものとしてグッとくるところは押さえてくれてるカラッとした傑作でした。
これは観るの2回目だけど既にもう一回観たいし何回観ても最高なんですよね。