ビジネスマンの主人公ニックが仕事で訪れた研究施設でのトラブルから透明人間になっちゃうってお話。
まず透明人間の映像が面白い。
今見ても胃とか顔面復元とかの映像のワンダーにワクワクします。カッパーフィールドみたいに足だけで逃げるシーンとかね。最高。
かと思えば雨のシーンとかはロマンチックだし。私の好みとしてはもうちょい古い要塞警察とかパラダイムくらいの映像のが好きだけど、でもこれもやっぱりイカしてました。
ストーリーは、透明になる前に出会った女性アリスとの恋と、CIAか何かに追われるというサスペンスの2つが柱となっています。
個人的に、「シャレード」とか「セイフヘイブン」とか、サスペンス味の効いたラブストーリーってのに滅法弱いんでヤラれましたね。
昔のロマンスものらしいあらかじめ決められていたようなとんとん拍子の恋愛。こういうショーケースみたいな恋もたまには良いもんです。
彼女と良い仲になるのは簡単なものの、そこで立ちはだかるのがサスペンス要素としてのCIAだかKGBだか共産党だかに追われるっつう展開。
吊り橋効果じゃないけど、2人の行手をはばむ巨大な力が存在するからこそ燃えるんです(観てる私が)。
で、なんせ相手が組織力を持っているので、対する主人公は知恵で勝負ということで、ところどころにちょっとしたトリックが使われるのがミステリファン的にも美味しかったです。
そんな感じで、めちゃくちゃハマりはしなかったものの古き良きロマンチックさと当時は新しかったであろうトリッキーな映像の融合が楽しめるなかなかの良作でした。