偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

イノセント・ドール 虜(1986)


サックス奏者の恋人ガエターノを事故で失ったチェチリアは、彼の手術を行なった医師に復讐を決意して......。


いつものグロがほとんどなくなって代わりにエロに全振りしたような、フルチ先生流ピンク映画(?)。
恋人を失った女が医師に(えっちな)復讐をするお話なんですが、なんせメインキャラであるこの3人が全員クズなので悲しいお話なのにけっこう笑いながら観れちゃいました。
そもそもクズ彼氏が完全な自業自得で死んだのに医者を逆恨みする主人公チェチリアちゃんがだいぶヤバい。亡き彼氏との思い出を切なく思い出すシーンが全部DVされてる場面なのが酷いっすね。
一方そんな酷すぎる逆恨みで復讐される医師も妻がありながらデリヘル嬢に横柄な態度を取るクズ野郎なので、普通にざまあみろとしか思えないのが面白い。
しかし終盤では彼氏を失って溢れる性欲を持て余したチェチリアちゃんと、妻とうまく行ってない医師とのえっちな展開になっていって、共に喪失を抱えた者同士の共鳴のようなものにちょっとだけホロリとしてしまうのが悔しい......。あの完全にこの世から切り離されたような2人だけの空間の雰囲気が好きすぎる。

まぁ基本的にストーリーはあんまよく分かんないんですけど、エロいシーンのオンパレードなのでそれだけでめちゃくちゃ楽しめました。主人公のチェチリアちゃんはもう無修正で脱ぎまくるしなんなら終盤はほぼ裸だしで眼福。しかしやっぱり冒頭のサックスのシーンが1番インパクト強いし1番エロいので、あそこがピークで中盤以降ちょっとダレて感じちゃうのはあるかな。
まぁでも美しいエロスが堪能できる映画なのでえっちな皆さんはぜひ観てね!