偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

『死んだらJPOPが困る人、CDジャケットデザイナー木村豊』

『ハチミツ』以降のスピッツのアートワークを手がける「CDジャケットデザイナー」の木村豊氏について、本人へのインタビューや彼がジャケ写を手がけたミュージシャンからのコメントで紹介する1冊。


とりあえずタイトルもうちょいなんとかならんかったのか......とは思いますが、内容は面白かったです!
スピッツファンなので木村さんの名前はもちろん知っていましたが、スピッツ以外にもアジカン、フジファブ、事変、きの帝、アートなどなど私の好きなバンドのアートワーク色々やってたことを初めて知りました......すげえ。
ちなみに本書の中では木村豊が手がけたCDの目録みたいなものは載ってなくてそれはちょっと残念だったけど公式サイトで画像付きで見れて、やっぱいいなーと思いました。

とりあえずミュージシャンからのコメントのトップバッターがマサムネ先生だっただけで最高だし、マサムネ先生の文章が読めるだけで最高だし、中身の方でもスピッツのジャケ写の裏話みたいなのがぽんぽん出てきてスピッツファン大歓喜。もちろんスピッツ以外にも色々と好きなアルバムのジャケの話が読めて面白かったです。

また、ジャケ写だけじゃなくて裏面の規定分の配置とかまでこだわって作っていることを知ってびびったし、子供の頃から「デザイナー」ではなく「CDジャケットデザイナー」になりたかったというところから始まる木村さんの半生のヒストリーなんかもめっちゃ面白かった。なんというか、前例のないような職業を確信を持って夢見て実現する姿勢が凄えな、と、子供の頃からなりたいものが無くて将来の夢に「富豪」とか「サラリーマン」とか書いてた私としては眩しいような羨ましいような気持ちになりました。
元から音楽好きだしスピッツファンなおかげでCDジャケットへの愛着もそれなりにある方でしたが、本書を読んでさらにCDジャケの世界への愛が湧きました。ジャケ写だけでも作品ではありつつ、中身の音楽と密接に結びつくことで一つの作品として完成するところが良いですよね。
という感じでまぁ感想ってほどの感想もないけどスピッツをはじめこの人のデザインしたジャケ写に好きなものがある方は読むと楽しいと思いますよ!