偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

メレ山メレ子『こいわずらわしい』感想

以前読んだ『奇貨』というZINEの著者の沙東すずさんが「メレ山メレ子」名義で書いていたエッセイ集で、『奇貨』の前日譚としても読める1冊です。『奇貨』の中でも紹介されていたので気になって読みました。こいわずらわしい作者:メレ山メレ子亜紀書房Amazon…

『死んだらJPOPが困る人、CDジャケットデザイナー木村豊』

『ハチミツ』以降のスピッツのアートワークを手がける「CDジャケットデザイナー」の木村豊氏について、本人へのインタビューや彼がジャケ写を手がけたミュージシャンからのコメントで紹介する1冊。死んだらJ-POPが困る人、 CDジャケットデザイナー 木村 豊作…

アレン・エスケンス『あの夏が教えてくれた』感想

海外作家で唯一追っかけてるエスケンスの邦訳4作目。あの夏が教えてくれた (創元推理文庫)作者:アレン・エスケンス東京創元社Amazon エスケンスの作品は全作でキャラクターが共通していて一つの大きなサーガのようになっているのが特徴。本作の主人公ボーデ…

マルコ・パルツァーノ『この村にとどまる』感想

北イタリアチロル地方、ドイツ語圏の一帯はムッソリーニの台頭によりイタリア語を強制され、ヒトラーの移住政策によって村は分断された。母語を愛し、言葉の力を信じるトリーナは、地下で子どもたちにドイツ語を教え、ダム建設に反対する夫とともに生きてゆ…