書くのサボってましたが道尾補完計画の続き。サボってるうちに忘れてきたのでサラッとにしときます......。
- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/01/21
- メディア: 文庫
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経営していた会社が倒産し、家族も失い、ホームレス家具職人となった東口。スクラップ置き場で仲間たちと貧しくも自由な生活を送る彼だったが、"疫病神"に憑かれているという深刻な悩みを抱えていた。そんなある日、奈々恵という女が突然「弟子にしてくれ」と転がり込んできて......。
さて、本作ですが、なんとも評価に迷う作品でありました。
というのも、主人公がホームレス仲間たちと疑似家族のような関係を築きながら過去と向き合う様をややユーモラスに暖かく描いた作品......っていうところが、わりと『カラスの親指』とか『透明カメレオン』なんかに似てる気がするんですよね......。
さらに、終盤で明らかになるとある事実も、とっても道尾秀介作品でよく見るやつでありまして。
もちろん、だからといってつまんないわけではなくて面白かったんですけど、どうもやっぱり既視感は拭えない。
で、その既視感を打ち負かすほどの盛り上がりがあるかというと、正直前半はストーリーの向かう先が見えなすぎてあまり乗れなかったし、クライマックスも案外地味だったりと、微妙にハマりきれなかったですね。
あるいは、私が結婚したことも会社が倒産したことも子供を亡くしたことも(てか子供いないし)ないから、なのかも知れません。また、読んだ順番的にも他のが好みドンピシャだったから比べてしまうのかもしれません。
まぁ、とはいえ、ライトでコミカルな読みやすさと、ヘヴィでリアルな心理描写とが共存したふつうに面白い作品ではありました。