偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

サマー・シャーク・アタック(2016)

C級ながら思いの外ちゃんとしたサメ映画で、普通に面白かったです。......いや、まぁストーリーは私でも書けそうなベタなものではあるんですが、もはやしっかりしたストーリーがあるってだけでサメ映画としては面白い部類に入ってしまうんですよね。嘆かわしいことだ。

サマー・シャーク・アタック(字幕版)

サマー・シャーク・アタック(字幕版)

  • アリソン・アシュリー・アーム
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家族と共に湖畔にバカンスに来た兄妹が主役。チャラい兄ハリソンと醒めた感じの妹モリー、そして兄の親友で妹の彼氏であるダメ男のカーティスが、ヤバいおっちゃんジョーンズと共に6匹のサメと戦うという内容で、このメインキャラ4人がなかなか愛着が湧くキャラクターだったのでそんだけで飽きずに観ていられました。
そもそも「そんな浅い湖にそんな6匹もサメがいるかよ!」みたいな根源的なツッコミどころはありつつも、両親や花火大会の客たちを助けるというちゃんとした目的意識があった上で、時に別行動を取ったり誰か死んだりしてパーティのメンバーを変えながら進んでいくのがRPGっぽくて面白かった!
後半に出てくる、たぶん某スリラー映画オマージュのエゲツないサメの殺し方にはおおーっ!と唸らされましたし、最後のサメとの決戦も最高で、爆笑しながらもそれは決して他のサメ映画に対するような馬鹿にした感じの笑いではなく、スカッとして快哉を叫ぶような笑いで、本編でバチクソ楽しませてくれた後で、ありがちな「実はもう1匹いました〜!」的なエンドにせずに潔く終わってくれるのも嬉しかった。やっぱここまで観てきて愛着の湧いた主人公たちが助かったと思ったら最後のオマケ的に殺されるのもしんどいですからね。大切な人の喪失を背負いながらも新たな恋と家族の絆も芽生える、悲しくも後味は爽やかな終わり方で、夏にぴったりの良いサメ映画でした!