偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

シソンヌライブ[six]


見るぜ見るぜの6本目。

シソンヌライブ [six] [DVD]

シソンヌライブ [six] [DVD]

  • 発売日: 2018/02/14
  • メディア: DVD



婚活パーティー/野村くんの夢/Japanese Ojisan/父へ/ ボクシングジムに通いたいけど/同居人の/サ裸リーマン


さて、本作の全体の印象ですが、普段は小さな悲しみを掬い取るようなネタが多いところ、本作ではそういう重ためのネタがほとんどなかったですね。
強いて言えば「同居人の」が深刻な題材を扱っていますが、その他のお話はどれも前向き、もしくはふざけ散らしてるものばかりで、悪く言えば軽い感じがしちゃうけどたまにはこういうのも良いと思います。


冒頭の「婚活パーティーは中でも前向きなお話ですね。
中高年の婚活パーティーということで死別を見据えてはいるものの、恋の始まりの予感ににやにやしてしまいます。
やっぱこういう内気な女性の役が抜群に上手いっすよね。回るところ好きです。


「野村くんの夢」は、前作からの流れでてっきり将来の夢の話かと思ったら、想像より全然くだらない話で笑いました。野村くんが元気そうで何よりです。


「Japanese Ojisan」はあんま印象なかったけど改めて見ると好きでした。不条理なようでいて一本筋が通っているようでもある少年の言動が印象的で、それに対して普通の人であるはずの長谷川おじさんの方がだんだん矛盾に満ちて見えてきてしまうのが面白かったです。


「父へ」は、逆に主人公の理屈が飛躍しすぎていてあんまり付いていけなかったかなという感じ。つかみの着想は面白いんだけど、そこからの展開のさせ方に説得力が弱いというか。


「ボクシングジムに通いたいけれど」はテレビでも見たことある気がするけどロングバージョンでドラマチックでした。
お姉さんのなんか可愛いところが絶妙。


「同居人の」は、シリアスな空気を高めていったところからのアレの落差に笑いましたが、それでもシリアスな話であることには変わりないので、じろうちゃんが怒りを露わにする場面では思わずほろりと来てしまいました。本作で唯一のシリアス路線。


トリの「サ裸リーマン」ですが、これまで最後の話は泣けるのが多かったのに、今回はタイトルからも分かるようにただのアホな話でした。
「同居人の」がいつものトリみたいな役割を担いつつ、この「サ裸リーマン」があまりにアホくさいながらもなかなか壮大な話だから最後に持ってきたということでしょうか。
着想からしてアホなんだけど、意外とミステリ的な要素もあるし、人気ドラマのパクリというシソンヌには珍しいふざけ方もしていて盛りだくさんで面白かったです!