偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

夕方五時なので

実はこの日に他のみんなほどの強い思い入れはない。
私が初めて彼の歌を聞いた時、彼はもうこの世にいなかったので。
それでも、みんなと違う音楽を知りたくて毎日ラジオを聴いていたあの頃に、これまたラジオから流れてきて初めてあの曲を聴いた時、何かいてもたってもいられない衝撃っつーか衝動に突き動かされた。それから、どんどんアルバムを聴いていきました。

1枚目の安直なまでにそのまんまな曲順にシンプルな美を見た。ロック感の強い2枚目に痺れ、ポップな3枚目に跳ね回り、内省的な4枚目に泣き、死後に発表されたという5枚目でさらに泣きました。
それから、アルバムを全て聴き終えてしまうと、高校生にしては超大金をはたいて当時プレミアだったレア曲とかの入ったボックスセットを買ってまた新しい曲との出会いに喜んだものです。

思えば、あの頃自分からなかば捨てていた青春や恋愛なんつうキラキラしたもんに、それでも私は恋をして、その恋への恋に菫と名付けていたような気がします。

だから、今日という日に特に思い入れはないけれど、夕方五時になるとちょっと彼の歌声を聴いて、今はもうない青春の衝動を追憶してノスタルジることにしています。

みなさん、メリークリスマス🎅🎄&やっぴーにゅーいや。