はい、記事タイトルの通り、ざっくりです。
今年読んでいたけど感想記事を上げていなかった本がいくつかあるので、これからまとめてざっくりと短文感想を書いて供養しようというコーナーのつもり。
別に必ずしもつまんなくて書かなかったわけじゃなくて、タイミングとか、刺さりすぎて何書けばいいか分かんなかったとかで書けてなかったのもあるので、はい、つまんないわけじゃなあんですということだけ言っておきます。
ではさっそく1冊目はこちら。
- 作者: 尾崎世界観
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/05/09
- メディア: 文庫
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人気バンド・クリープハイプのヴォーカル尾崎世界観による自伝的小説。
現在のメンバーでバンドを始める前のアマチュア時代のお話らしいですね。
読む前はまぁ芸能人がよくやるブログの書籍化とかの延長くらいなもんだと思ってましたが、すみませんでした。文学です。
クリープの歌詞にも通じるところですが、怒りや虚しさと言ったマイナスの感情を情念を込めて描きつつ、しかしどこかユーモラスさ、軽妙さもある。歌詞ではそれが過剰なまでの言葉遊びに表れていますが、本書では突き放したような乾いた語り口に表れているように思います。
夢を追ううちに夢に追われるようになってしまい底辺の生活を送る主人公を細かいエピソードの積み重ねで淡々と、しかしヒリヒリするようなリアルさで描きつつ、最後の最後で少しだけそのリアルさを超越するような感動を見せてくれる。
はい、バンドのファンのくせにどこか「ミュージシャンが話題作りの作家デビューか」みたいな気持ちで読み始めたことを恥ずかしく思うくらいには良かったです。