ルチオ・フルチ。一部の悪趣......失礼、マニアたちからカルト的な支持を受ける巨匠の作品について私なんかがぐだぐだ書くのは畏れ多いですが、まぁどうせそんなにファンおらんやろ大丈夫大丈夫。
というわけで、今回は巨匠フルチ先生後期のこの作品です。
製作年:1990
監督:ルチオ・フルチ
出演:
☆点
〈あらすじ〉
昔、悪魔と契約した尼僧たちが磔刑にされた歴史を持つ修道院。そこを調査する考古学者の主人公は、やがて磔にされた破戒尼僧の幻覚を見るようになり、調査にのめり込んでいく......。
今までフルチ作品は「地獄の門」「ビヨンド」「サンゲリア」という全盛期(?)のものしか見てきませんでした。今作は晩期の作品ということもあってか、分かりやすく大人しくなったかなぁという印象です。
なんせ観ていてちゃんとストーリーが分かります。 いや普通の映画だったらそんなん当たり前なんですけど、今まで観てきたフルチ映画は本当に何が起きてるのか分からなかった......。分からないままにやたらと熱の入った残酷描写を楽しんだもんですが、本作は分かりやすさと引き換えに残酷描写がちょっと物足りなくなった気がしてしまいます。
とは言っても腐ってもフルチ。
脈絡がなすぎてギャグにしか見えない殺人シーンはたくさんあったのでサイコーです。
そんな爆笑死に方ベスト3をちょっと紹介してみます。
第3位 何の脈絡もなく顔のない全裸の女幽霊にボウガンで射殺される。
わけがわかりません。なぜ脱いでるのか、恐らく尼僧の霊なのになぜボウガンなのか、わけがわからずただシュールな絵面に爆笑するしか為すすべがありませんでした。
第2位 猫に目ん玉抉られる
くっそ見辛いですが......。
猫パーンチ、あらまぁよしなさいうふふと、猫好きなおばちゃんが猫と戯れてると
こうです。今後は猫には近寄らないことにします。
第1位 残酷!股裂拷問刑!
息子を尼僧に拉致られたパパ。森の中を息子の名前を呼びながら探します。
それに答えて助けを求める息子。
可哀想ですね。早く助けてあげて!と思いながら見ていると、次のカットでは......
......何があったパパ......?
何の脈絡もなく、しかも元気に走ってた次の次くらいのカットではもうこれですよ。いつの間に森に罠を仕掛けていたのか......。てか霊じゃねえの?ちゃちい罠なんか使わずにもっと呪い殺すとかあるでしょうに!
でもこの後パパが二つの肉塊に成り果てるところで大爆笑したので最高の映画でした......。
ぶっちゃけ、見所なんてこの3つのシーンくらいしかありません。あとは何か変な刑事がぐだぐだと探偵小説論をぶつけど本筋と何の関係もないところとかミステリファンとしては笑いましたが。
ラストもよく分かんないままに何か盛り上がってあっさり終わるあたりは、B級映画としての潔い美学すら感じました。
物足りなさはあるけどなんだかんだいつも通り良い意味で時間を無駄にした感覚が楽しめるクソ映画でした。こんなん観るより他にすることがない自分の存在価値のなさを突き付けられます。