偽物の映画館

観た映画の感想です。音楽と小説のこともたまに。

京都旅行2024 その1

月火で有給をとって京都旅行の予定だったのですが、日曜も仕事を半日で切り上げて日曜から来ました。 夕方からとはいえ2泊3日になると1泊2日より気持ちの余裕がダンチで良かったです。 喫茶ソワレ。 戦後まもなくにできたお店らしく、レトロな雰囲気と青い照…

春のプレイリストを作りましたよ。

先日趣味で春のプレイリストを作りましたので紹介します。↑私はApple MusicだけどSpotifyユーザーのが多そうなのでSpotifyでも作ったよ!みんな聴いてね! さて、春という季節には新しいことが始まるワクワクと別れや散っていく花の儚さのふたつの側面があり…

スラムドッグス(2023)

犬のレジーは飼い主のダグとの「取ってこいクソッタレ」ゲームで家から遠く離れた場所に置き去りにされてしまう。 いつものボール拾いゲームだと思って捨てられたことに気付かないレジーだったが、野良犬のバグ、美人犬のマギー、巨根犬のハンターと出会った…

落下の解剖学(2023)

雪山にある山荘で男が墜落死した。 事件当時、山荘にいたのは人気作家の妻と、視覚障害のある息子だけ。 やがて妻に容疑が向けられ、裁判で徐々に夫婦の秘密が明かされていくが......。 なんか、長かった......。 冒頭の異様さと、夫婦喧嘩の録音が流される…

ザ・ベイビー/呪われた密室の恐怖(1972)

福祉事務所で働くアン。新しく担当になったワーズワース家を訪ねると、そこには母親と長女、次女、そして体は大人なのに赤ん坊として育てられていて話すことも歩くことも出来ない弟の"ベイビー"がいて......。ザ・ベイビー 呪われた密室の恐怖(日本語吹替収…

ソウルメイト(2023)

奔放だが繊細なミソと生真面目なハウンは、小学生の頃に転校生として出会って以来お互いに1番大切な存在として一緒に生きてきた。しかしハウンがジヌと付き合うようになり、やがて2人の人生は別々の道へと枝分かれしていくが......。 ジャケ写だけ見てなんか…

ボーはおそれている(2023)

常に不安を抱えている男ボー。ある日母が怪死し、葬儀のために帰省しようと自宅アパートを出たボーだったが............。 3時間ひたすら悪夢を見せられ続けるような映画で、映画館で観たら没入感も不快感ももの凄くて、どっと疲れました。そもそも仕事終わ…

堀江敏幸『雪沼とその周辺』

リーガルリリーの海さんがInstagramで紹介していたので読みました。雪沼とその周辺 (新潮文庫)作者:敏幸, 堀江新潮社Amazon「雪沼」という架空の寂れた田舎町を舞台に、そこに暮らす普通の人々の平凡な人生の哀歓を描く7編の短編集。作中に出てくる川の名前…

鯨井あめ『晴れ、時々くらげを呼ぶ』感想

第14回小説現代長編新人賞を受賞した著者デビュー作。 ひょんなことから著者がスピッツファンだってことを知って読んでみました。晴れ、時々くらげを呼ぶ (講談社文庫)作者:鯨井 あめ講談社Amazon 高校2年生で図書委員の越前亨は、同じ図書委員の後輩の小崎…

一穂ミチ『ツミデミック』感想

去年読んでめちゃくちゃ良かった『スモールワールド』の著者による6編の短編集。ツミデミック作者:一穂 ミチ光文社Amazon帯に「犯罪小説集(「犯罪」に傍点)」とあるように、いわゆる犯罪小説ではないけどタイトル通り「罪」にまつわる作品が集められています…

阿津川辰海『黄土館の殺人』感想

『紅蓮館の殺人』『蒼海館の殺人』に続く災害館シリーズ(と呼んでいたけど、館四重奏というらしい)の第3弾。黄土館の殺人 〈館四重奏〉 (講談社タイガ)作者:阿津川辰海講談社Amazon 芸術家一家の主・土塔雷蔵に復讐するため、四囲を崖に囲まれた"荒土館"を訪…

女王陛下のお気に入り(2018)

18世紀初頭、フランスと戦争中のイングランド。 貴族の身分から転落した女性アビゲイルは、召使としてアン王女の城で雇われる。病弱なアン皇女は幼馴染で世話役のサラにほぼ実権を与えていた。アビゲイルはサラに取り入ることで貴族に返り咲こうとするが....…

ロブスター(2015)

独身者は"ホテル"に連行され、15日以内にパートナーを見つけなければ動物にされてしまう世界。 妻と別れたデヴィッドもホテルに連れてこられてしまうが、彼はそこからドロップアウトして森の中に暮らす独身者たちのグループに入ることになる。しかし、恋愛禁…

瞳をとじて(2023)

映画監督のミゲルは、22年前に映画の撮影途中で失踪した俳優のフリオについてTV番組の取材を受ける。 それをきっかけに、自身の半生やフリオのことに想いを馳せるミゲルだったが、やがてフリオらしき男がある場所にいると知らされ......。『ミツバチのささや…

エル・スール(1982)

1957年の秋のある朝。エストレリャは枕の下に父の大切にしていた振り子を見つけ、父がこの世を去ったことを知る。内戦の最中に南の故郷を捨て家族と共に北の地にあるこの家にやってきた父。エストレリャは幼い頃の父と過ごした日々を回想しながら、父の苦悩…

シャークナイト(2011)

湖の中の島にある別荘にバカンスに来たサラたち大学生グループ。しかし1人がサメに腕を食いちぎられ、島から逃げようとする彼らをさらなる悲劇が襲う......。シャーク・ナイト (字幕版)サラ・パクストンAmazon クソサメ映画だと思ったらちゃんとした映画で、…

コット、はじまりの夏(2022)

無口な少女コットは家でも学校でも軽んじられて生きていたが、弟が生まれるために一夏のあいだ田舎に住む親戚のアイリンとショーン夫妻の家に預けられることになる。 子供のいない夫妻はコットに淡々と愛情を注ぎ、コットは少しずつ自分を肯定できるようにな…

喜国雅彦『嗜好機械の事件簿』感想

嗜好機械の事件簿作者:喜国 雅彦東京創元社Amazon車両消失トリックがジオラマで楽しめる鉄道ミステリ博物館や、そして誰もいなくなりそうなクローズドサークルで生き延びる方法、衆人環視の密室殺人の驚愕トリック(読者への挑戦付き)に、コロナ時代の探偵事…

真造圭伍『センチメンタル無反応』感想

全然知らなかった作家さんのノンシリーズ短編集でしたがけっこー好きでした。センチメンタル無反応 真造圭伍短編集 (ビッグコミックススペシャル)作者:真造圭伍小学館Amazon色んな味わいの8編を収録した短編集で、悪く言えばまとまりのない1冊ではあるけど、…

高野雀『さよならガールフレンド』感想

コミティア見本誌読書会で1位になったという表題作など6編を収録した著者デビュー短編集。さよならガールフレンド (FEEL COMICS swing)作者:高野雀祥伝社Amazon漫画の後ろに書いてある「ドン!」とか「ガーン!」みたいな擬音語あるじゃないですか?本書はあ…

佐原ミズ『バス走る。』

ドラマ化されてタイトルは聞いたことある『マイガール』などの著者によるオムニバス短編集。バス走る。[新装版] (ゼノンコミックス)作者:佐原ミズコアミックスAmazon表題の通りバスを舞台にした「バス走る。」の5編に加え、7つの曜日を7つの色になぞらえる…

久野遥子『甘木唯子のツノと愛』感想

著者の漫画デビュー作ですが、調べたら岩井俊二監督の『花とアリス殺人事件』やクレヨンしんちゃんの劇場版のいくつかの作品などに関わっているアニメーターらしくて驚いた。甘木唯子のツノと愛 (ビームコミックス)作者:久野 遥子KADOKAWAAmazon著者がアニメ…

ヤマシタトモコ『運命の女の子』感想

こないだ読んだ『ミラーボールフラッシングマジック』が良かったので読んでみましたが、軽めの読み味のあちらに比べて本書はかなりヘビーで、これまた面白かったです。運命の女の子 (アフタヌーンコミックス)作者:ヤマシタトモコ講談社Amazon帯の言葉を借り…

青山景『ストロボライト』感想

大学の時くらいに読んだ気がするけど、まぁそん時は童貞でしたしこういう恋愛モノはよく分からなかったので、単巻漫画にハマったこの機会に再読しました。ストロボライト作者:青山 景太田出版Amazon 夜行列車で過去を小説に書く作家の浜崎正。 ......大学時…

ミスティック・フォレスト 〜"アレ"と"ソレ"がいる森〜(2019)

クリーチャーをフィーチャー!!!というわけで、大須シネマさんの「サメとカニとアレと」で観てきました。↑下のポスター、詐欺にもほどがあるやろ。 「監督脚本ジョン・ミリオーレ」で覚悟は決めていたつもりでしたが、甘かった。正真正銘のダメ映画でした.…

ええっ?キメたカニ(2022)

大須シネマさんの「サメとカニとアレと」で観てきました!!!宇宙から飛来した宇宙蟹が地球の大学生にコカインを強要されてラリってしまい人を殺していくZ級パニックムービー。冒頭からしてオモチャの蟹がカタカタカタカタ言ってて、低予算とかZ級とか言っ…

ストップ・メイキング・センス(1984)

以前『アメリカン・ユートピア』をお家で観てめちゃくちゃ良かったので本作の4Kレストア版が公開されると聞いてぜってえ映画館で観てやるぜ!と思ってたので、センチュリーシネマに観に行ってきました!ストップ・メイキング・センス [DVD]トーキング・ヘッ…

石沢麻依『貝に続く場所にて』感想

リーガルリリーのBass.海さんがInstagramに載せてたので読んでみました。貝に続く場所にて (講談社文庫)作者:石沢麻依講談社Amazon コロナ禍のドイツ・ゲッティンゲン。 「私」は9年前の東日本大震災で津波に呑み込まれた知人の野宮と会う約束をしていた。現…

九段理江『東京都同情塔』感想?

前作『schoolgirl』がめちゃくちゃ良かったので新作が出たらすぐ買って読もう!と決めていた著者ですが、まさかの発売前日に芥川賞を受賞してどこの本屋に行っても売り切れ!というのを経てしばらく待ってからようやく買うことができました。東京都同情塔作…

2024年1月に聴いた音楽まとめ

音楽好きなのでブログに音楽の話も書きたいんだけどアルバム感想を書き始めるとめちゃ長文になってしまってなかなか骨が折れるのでその月に聴いたアルバムや曲を一言で紹介するコーナーを始めようと思います!毎月ちゃんとやれるかは不明! アルバム The Bir…