○はじめに
これまで「失恋映画」「どんでん返し映画」と自分の好きなジャンルの映画についての記事を書いてきましたが、この2つと並んで大好きなのがそう、ゾンビ映画、中でもコメディ要素のあるゾンビ映画なのです。
今回は私の個人的に好きなゾンビコメディを15本選んで、制作年順に紹介してみようと思います。なんとな〜〜くゾンビコメディ映画史のまとめっぽくもしたので、これを参考に暑い夏を恐怖と笑いで涼しく乗り切ってください(私のペラッペラに薄い知識の範囲で書くので勘違い等あったらスミマセン)。
さて、本題に入る前に、まずはゾンビ映画そのものの歴史を超ざっくり紹介します。
まず、世界で初めてゾンビが登場した映画が、1932年の『ホワイト・ゾンビ』という作品......らしいです。
と偉そうに書いておいてなんですが、私がまだ観られていないので、本やネットの受け売りになってしまうのをご容赦ください......。この映画におけるゾンビはあくまでただの生ける死者で、現代のゾンビ映画に見られる「人を食う」「半分腐ってる」などの設定はないそうです。
では、そういった腐ってて大勢で人を食って感染していく......という、現在一般的なタイプのゾンビ映画の始まりはというと、ジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)です。これにあの有名な『ゾンビ』(1978)と『死霊のえじき』(1985)を加えて「ロメロ三部作」と呼ばれています。そして、人を食うベーシックなタイプのゾンビを「ロメロ・ゾンビ」と呼ぶこともあります。それくらい、このロメロ三部作は革新的な作品群だったと言えるでしょう。
というわけで、ロメロ以降、彼のフォロワーによってゾンビ映画は大量に製作され、やがてジャンルそのもののセルフパロディ的な所謂ゾンビコメディ映画もどんどん出てきます。
そしてやっと本題に入りますが、そんなゾンビコメディを確立したのがこのシリーズ!
01.バタリアン(1985)
02.バタリアン2(1987)
私はまだ産まれてなかった時代ですが、テレビ放映されて「オバタリアン」なんていう派生語も流行するなど、日本でも大ブームを巻き起こしたそうです。
1の方は、ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のその後の話......という設定のパロディ作品。ゾンビコメディの嚆矢と言っても良いのではないでしょうか。
何と言っても出てくるゾンビたちのビジュアルが濃いんです!
本作のゾンビは首を斬っても死にません。あとなぜかこいつだけ黄色い。
ゾンビ界でも人気の高いタールマン。キモカワです。
ババアのゾンビ。いわゆるオバタリアン。
そして、本作で最も特徴的なのは、ゾンビが喋ること。唸るように「Brain!(脳ミソ食わせろ)」と言いながら襲いかかってくるのは恐ろしくもどこか愛嬌があります。
さらに、ゾンビが人を襲う理由もゾンビ自らの口から語られます。これがちょっと可哀想でまた印象的。
2の方は、子供が主人公で、どこか「ホームアローン」などに近い雰囲気も漂わせつつ、1のセルフパロディとして更にコメディに寄せたゆる〜い作品に仕上がっています。なぜかあまり評判良くないですが、ブラックユーモア満載で個人的には1より好きかもしれません。
ちなみにこの後シリーズはなぜかシリアスな恋愛ものになる3(これはこれで革新的ではあります)、安っぽく劣化してしまう4、5と続きますが、とりあえず1と2だけ観ておけば十分かと思います。
03.死霊のしたたり(1985)
H.P.ラブクラフトの小説を原作にしつつ、クライマックスのハチャメチャすぎてもはや笑えるグロ描写がカルトな人気を誇る怪作です。
この映画の最大の見所は「ゾンビ化した博士が首チョンパされるも自らの生首を抱えて全裸の美女をペロペロする」という滅茶苦茶なシーンに他なりません。これが気になる人には絶対観てほしい、興味がわかない人は絶対観なくていい、そんな作品です。
全裸の美女と首だけの博士。
ちなみにこれもシリーズ化されていますが、1から3まで全て一貫して「中盤までは退屈だけどクライマックスのハチャメチャさだけで満足できる」という感想しかありません......。とにかくバカです......。
04.死霊のはらわたII (1987)
1981年製作の伝説の名作『死霊のはらわた』の続編です。
どうでもいいですが、死霊という枕詞に「はらわた」、「えじき」、「したたり」というそれぞれ別の作品があってほんとにややこしいですよね。これに「悪魔の」「いけにえ」も混ざって慣れないうちは頭こんがらがります(慣れると覚えられます)。
閑話休題。
この『しりょはら2』は、なんとストーリーはほぼ1と一緒!
だけど意味不明すぎて笑えてくるグロ描写を1よりもパワーアップさせたことでシュールな笑いに襲われる、とにかく不思議としか言いようのないスプラッタに仕上がっています。冒頭から既にクライマックスで、「導入?んなもん知るか!」とばかりにハイテンションを維持してくれるのが楽しくて、これ観てれば浮世のつらいこととかみんな忘れて頭空っぽになれます。
Evil Dead 2 best scene ever. - YouTube
これ観てもらえば雰囲気は伝わるかと......。
05.ゾンビ・コップ(1988)
ゾンビを捜査するうちに自らもゾンビ化してしまった刑事の主人公が、相棒(こちらは生身の人間)とともに黒幕を追うというストーリー。
バディものとゾンビコメディを融合させた、なかなか斬新な作品です。
バディものらしいアメリカンジョークの掛け合いの笑いと、ゾンビものとしての「グロ過ぎて笑える」という感覚の両方の笑いが詰まっているあたり、本当に当時としては革新的なのではないかと思います。
キャラの良さといい爽やかさといい、後の2000年以降のゾンビコメディの早すぎた先駆作......という気がしないでもないような気がします。
ちなみに、ゾンビファンとしては、この作品の"とあるもの"がゾンビ化してしまうシーンが本当に大好きで、不意打ちで観て吹き出したのでぜひ何も調べずにあの笑撃を味わって欲しいです。
06.ブレイン・デッド(1992)
80sのゾンビブームの後、1990年に『羊たちの沈黙』が登場したことで、ホラー界ではゾンビは忘れ去られ、サイコもの路線が主流になっていきました。
そんな中で、1992年、80sのゾンビものの最終到達点となる本作が登場してしまうのです......。
この作品の何が凄いって、人体破壊がとにかくやりすぎなんですよ。
使用された血糊の量は映画史上最多!
人間が考えうる限りの全て人体変形を網羅しているかのようなグロ描写。それが行き着いた先には、もう人間の尊厳などというものは意味を失くし、人体破壊はただのギャグに成り果ててしまうということを実証した問題作です。
グロすぎわろた。
ここがギャグ系ゾンビの極北。これより先にギャグ系ゾンビの道は残されていません。
ちなみにゾンビの赤ちゃん、ゾンベイビーというマスコットキャラが出てくるのも人気の秘訣でしょうか。
〜Interlude〜
というわけで、ギャグ系ゾンビの極北『ブレインデッド』以降、ゾンビ映画は低迷の時期を迎えます。
しかし、2000年代に入ると、大きく2つの路線でそれこそゾンビの如く復活を遂げ、現在に至るまで人気ジャンルの地位を保っています。
その2つの路線のうちの1つは、『バイオハザード』(2001)の大ヒットで注目を受けた「アクションゾンビ」という路線です。
このアクション路線では『28日後...』『ワールドウォーZ』、日本では『アイ・アム・ア・ヒーロー』などが代表的だと思います。
そして、もう1つの路線というのが......。
07.ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)
そう、そのもう1つの路線というのが、この『ショーン・オブ・ザ・デッド』を皮切りに注目される「ゾンビコメディ」路線に他なりません。
では、この作品以降のゾンビコメディは、この記事でこれまで紹介してきた80s頃のゾンビコメディと何が違うのか?
超ざっくり言うとそれは「ゾンビが主か、コメディが主か」だと思います。
80sの作品群は、「ゾンビ映画としてのグロ描写などを徹底しすぎるあまりギャグのようになってしまった」という、ゾンビ映画オタク向けの笑いがメインでした。
一方、2000年以降のゾンビコメディは、あくまで「ゾンビというモチーフを用いたコメディ映画」であって、普通のコメディ映画同様にキャラクターの魅力や会話の面白さがメインの誰でも楽しめるものになっていると感じます。
で、ようやく『ショーン』の話に入りますが、この作品はまさにそのキャラや会話の面白さが抜群なのです。
キャラでいうと、RPGのように1人ずつパーティー(仲間)が増えていってみんなでゾンビから避難するという構成が上手いですね。どんどんパーティーに加わってくる仲間たちに愛着が湧いてしまうのが人情というものです。
会話については、映像とも相俟ってバカバカしいのにどこか知的でスタイリッシュ、そして少しブラックな笑いが散りばめられています。これは英国のお国柄でしょうか?そういうところを「気取っててうざい」と受け取る人には勧められませんが、その点に寛大な人には是非観て欲しい快作だと思います。
ちなみに、これが面白ければ、この監督と主演コンビによるミステリコメディ『ホット・ファズ』、SFコメディ『ワールズエンド 酔っ払いが地球を救う』もハマるはずです。
Shaun Of The Dead - Zombies, what zombies? Simon Pegg, Nick Frost, Edgar Wright - YouTube
ショーン冒頭、サイコーです。このセンスが好きならぜひ。
08.ゾンビランド(2009)
ゾンビコメディの名作として『ショーン』と並んで耳にする機会が多い作品です。
『ショーン』がちょっとブラックな面もあったのに対し、この作品はカラッと明るく楽しく爽やかで、老若男女が楽しめるようなキャッチーさがあります。
一方で、童貞大学生の主人公が提唱する「ゾンビから生き残るための32のルール」など、ゾンビ映画というジャンルのパロディとしての要素も強く、ゾンビ映画オタクも楽しめるディープな作品でもあるのが凄いです。
ちなみにこの32のルール、例を挙げると「2度撃ちでトドメをさせ」のようなあるあるネタから「シートベルトをしろ」という、聞いただけでは理由のわからないものまで様々で、「次はどんなルールが出てくるの?」という興味を持たせてくれます。
さらに、青春・恋愛の要素もあって、童貞の主人公がゾンビとの戦いを通して運命の女性と出会うという筋立ては後のゾンビコメディにも大きな影響を与えているような気がします。
また、キャラもいいです。
童貞主人公とゴツいおっさんという対照的な男2人。でもこのおっさんがトウィンキーという甘ったるいお菓子大好きっていうのが可愛いですね(このトウィンキー、私も実際に食べましたが、甘党の私でも甘すぎて苦手でした......)。
そして、男はどうでもいいけど、『ラ・ラ・ランド』で大ブレイクしたエマ・ストーンが出ているのは大きな見所の一つです。エマさん、最近はパツキン美女というイメージが強いですが、この作品に出ている時は髪色暗めで日本人好みの美しさだと思います。やっぱり映画って華やかなヒロインがいると一層愛着が湧きますよね。というかこの当時まだ20歳そこそこですよ!色気ありすぎでしょ......。
エマさんの妹役のアビゲイル・ブレスリンもこの時全盛期なのではってくらいに可愛かったです。
そんなこんなで、甘酸っぱく爽快なゾンビコメディというものを確立した傑作だと思います。
09.ゾンビヘッズ 死にぞこないの青い春(2011)
青春・恋愛の要素を濃く投入してキャラの良さと会話の面白さで魅せてくれるあたり非常に正統派なゾンビコメディ映画です。
が、1つ大きな特徴があります。
それは、主人公が半分ゾンビになって、ゾンビハンターである人間たちから逃げながら好きな女の子に会いに行く、という設定。
普通なら人間がゾンビから逃げるところを逆転させることでより主人公に感情移入してしまい、終盤の女の子に会うあたりのエモさが増していると思います。だってゾンビになってまで好きな子に会いに行くんですよ!これはエモいでしょう!
また、そうした青春ロードムービー的な面を押し出していながらきちんとわざとらしいほどのゾンビ映画オマージュを散りばめてくるところも憎めません。
ラストは賛否両論分かれそうですが、個人的にはメチャクチャ好きですし、その後エンドロールに至るまで楽しさが詰まっていて、一本の映画を観てここまで強い愛着を抱いてしまうのも珍しいくらい好きな作品になりました。
強いて惜しい点を挙げるなら主人公がピンチを切り抜ける方法がワンパターンなことですが、細かいこと気にしなければ最高の青春ゾンビコメディです。
10.インド・オブ・ザ・デッド(2013)
近年『きっと、うまくいく』をはじめとするボリウッドのインド映画が映画界でメキメキと存在感を増してきていますよね。
そんな中で、ついにインド初のゾンビ映画も製作されました。それがこれ。
「ゾンビだって?ここインドだぞ?」「グローバル化だよ」
という会話、最高です。
これも『ゾンビランド』路線のカラッとしたゾンビコメディなのですが、主人公たち仲良しトリオがクズ野郎なのが新しいです。
なんせ女とヤるために孤島のドラッグパーティーに行こうぜ!という欲望に忠実っぷりには一周回って好感が持てます。
また、こいつらかなりバカなので常に非合理的な行動ばかり取ります。私はコメディだしそこんとこ気にせず楽しんだのですが、登場人物がバカなのにイライラしてしまう人にはオススメできません。
メタ発言やゾンビパロディもわざとらしくて鼻に付くかもしれませんが、製作者がこのネタやりたいんだろうなぁというのが伝わってきて愛着が湧きました。
また、音楽がとってもよくって、ドラッグをテーマにした映画らしいトリップ感を味わえる不思議なインドミュージックになっています。この映画観た後ハマっちゃって一時期毎日Youtubeで聴いてました。
むしろ音楽好きとしては映画本編よりも中毒性高いこの曲をオススメしたいくらいですよ。
Go Goa Gone - Babaji Ki Booti New Official HD Full Video - YouTube
11.ウォーム・ボディーズ(2013)
人間の女の子とゾンビの男の子の恋愛を描いたゾンビラブコメ......というゾンビ映画の新たな切り口を打ち出した意欲作にして問題作です。
半ゾンビと人間の恋というのは上で紹介した『ゾンビヘッズ』や『アンデッド・ウエディング』など先行作もありますが、どちらもイメージとしては童貞向けのB級映画。
それに対して、女子をターゲットにしたオシャレムービーとして「ゾンビ×人間」をやっちゃったところは物凄い英断だと思います。
ただ、そのせいでゾンビが感情を持って喋るという、そもそもゾンビ映画の根幹を揺るがすような設定や、随所に見られる御都合主義の数々など、何でもあり感が強すぎて受け入れづらい部分もあるように思います。
個人的にはゾンビのくせにイケメンな主人公がむかつきます。
ただ、深いことを考えずに、ゾンビ映画だとも思わずに、ロミオとジュリエットを下敷きにしたラブコメとして見た場合はやはり良くできた作品だと思うので、好きでもあり嫌いな部分もありという非常に複雑な感情を抱いてしまいます。
とはいえ、ゾンビラブコメという新ジャンルを確立した功績は大きいと思います。
12.ゾンビ・ガール(2014)
13.ライフ・アフター・ベス(2014)
そして、『ウォーム・ボディーズ』以降にゾンビラブコメとして作られたのがこの2作。
どちらもゾンビになった元カノと、生身の今カノ(今好きな人)の間に挟まれた主人公の男の子というあらすじは似ていながら、味わいは全く違います。
まず、『ゾンビ・ガール』
エコロジーへの熱意が行き過ぎた彼女とすれ違ってしまい、別れ話をするために彼女を呼び出すと、待ち合わせ場所に来る途中で彼女が事故死してしまいます。
主人公は「自分が別れようと思わなければ彼女は死ななかった」と罪悪感に苛まれつつも、慰めてくれた趣味の合う女の子にソッコー乗り換えます。
しかし、死んだエコ彼女が突然家に帰ってきて、主人公は彼女をどうにかしようと奮闘します。
この作品では、ゾンビ化した元カノは最初から邪魔者扱いで、たしかに付き合うにはメンドくさい女でしたが復活後の扱いが酷すぎて少し同情してしまいます。
でも基本的にコメディに振り切っているので、元カノに同情したからといって後味が悪くなったりはしません。また、ホラー映画オマージュもふんだんに散りばめられていて、軽いスナック感覚で笑いながら観られる映画でした。
きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。これで。
まあ生身のこっちのがいいですよね。
一方の『ライフ・アフター・ベス』では、喧嘩したまま死んでしまった彼女がゾンビとして蘇り、主人公は最初は彼女をもっと大切にしようと決意します。
しかし、どんどん腐っていって言動もおかしくなっていく彼女と一緒にいるうちに、ふらっと生身の女の子になびいてしまいそうになるという、心理的にはリアリティのある話になっています。
そのため、コメディとは言いながらどこかいたたまれなくて笑っていいのか分からないような不謹慎な笑いになっているのが特徴的です。
そんなストーリーに主演がデイン・デハーンなのも相俟って、非常にサブカル臭い映画になっています。ゾンビ映画というよりも、むしろ以前のブログで紹介したようなつらい恋愛映画好きにこそオススメしたい作品になっています。
暴れないようにタンスにくくりつけられるベス。悲しいです。
同年に製作され、あらすじだけ見ると似たような話ながら対照的なこの2作、見比べてみるのも面白いかもしれません。
14.ゾンビーバー(2014)
タイトルで分かるように、ゾンビになったビーバーが人間を襲うという、確信犯的にB級な映画です。
襲われるのはもちろんバカな若者、略してバカ者たち。なんせ『ハングオーバー!』のスタッフが撮ってるから筋金入りのバカ者たちです。彼らのほぼ下ネタだけの中身のない会話がアメリカンなバカコメディ好きな人にはとても心地よいです。
もちろん水着あり。ポロリもあるよ。
ゾンビーバーちゃんも可愛い。どこからどう見ても人形なのにはいっそ潔さすら感じます。
動物ゾンビといえば『ペット・セメタリー』という名作もありますが、もちろん本作はもっと脱力系です。
ゾンビーバー。
そして、本作のゾンビ映画としての最大の見所は、ゾンビーバーに噛まれた人間がゾンビーバー人間になってしまうこと!ゾンビになるだけでなく、ゾンビーバー人間になるんです。このキモい変身シーンはかなり気合が入っているので必見です。
まぁ、これの場合、文章を書いて紹介するよりも、タイトルが気になるなら観ろ!という感じの作品です。
15.ゾンビワールドへようこそ(2015)
最後にご紹介するのはこの作品。
ボーイスカウトに入っているズッコケ童貞三人組と、イケメンなセクシー美女が主役。
イケメン美女。撃たれたいです。
スカウトという設定は目新しく、終盤それが活かされる展開はアツいのですが、それ以外は非常にオーソドックスなゾンビコメディです。
ただ、下ネタもグロネタも盛りだくさんでめちゃくちゃ下品なのに、どこか下品になりすぎないスタイリッシュさもあります。そしてキャラクターも魅力的で青春映画としても楽しめたりします。
個人的にはホームセンターのシーンが大好きなのですが、そういうゾンビファンには嬉しいくすぐりがあるのも巧妙だと思います。登場人物の行動が案外合理的でイライラさせられないのも良いですね。
そんなわけで、非常にオーソドックスなんだけど、とにかく全体に過剰なテンションと見事な脚本で魅せてれます。
王道で面白くするのってとても難しいと思うんですが、本作はそれに成功した傑作と言ってもいいのではないでしょうか。
○おわりに
さて、10000文字に渡って好きなゾンビコメディについてお送りしてきましたが、そろそろお別れの時間になってしまいました。
ゾンビ映画史のようなことも書きましたが私自身知らない映画もたくさんあるので勘違いや無知による間違い等ありましたら申し訳ありません。
この記事がゾンビコメディの世界への入り口として少しでも参考になれば嬉しいです。
そして、ここに紹介した以外にも素敵なゾンビ映画、ゾンビコメディ映画はたくさんあるので、ぜひ共にゾンビの世界へ堕ちようではありませんか!